高校合格

「あやめっち、私立高、合格おめでとう」

「うわっ!イセっち、ありがとう」


「結構むずかしい高校やったんちゃうの?」

「そうみたいやなー」


「で、あとは府立高か」

「うんっ!この近くにも良き府立高校、結構たくさんあるからね」


「そやな!あやめっちも中3で、いろいろしっかりやってきたからなー」

「イセっちのおかげで、いろいろ面白かった。しゃべったりできて」


「うちもー!あやめっちとしゃべってると、めっちゃなつかしい気分になるわ」

「なんで?」


「なんでやろ?なんとなくかな」

「ふぅーん。でも、うちもそう」


「えっ?あやめっちもなん?」

「うんっ!なぜか、めっちゃなつかしい」


「このあたり、歴史的な場所やからかなー」

「そうかなー」


「そやから、なつかしい気分にもなってまうのかな」

「そっか。うちは、このあたりの場所に、何か深い縁でもあるんやろか?」


「えっ?...それは、そうかもね」

「やっぱり、そうなんや。時々、めっちゃなつかしい昔の風景も浮かんできたりするんやで」


「なつかしい風景?」

「うんっ!夢とかにも、昔の風景見ると、めちゃめちゃなつかしくなってくる」


「へぇー、中3っていう時季なんかな?」

「え?中3?」


「うんっ、中2で思春期になって、中3で深い愛とかも、そろそろ思い出すっていうか、目覚めたりするみたいな」

「そんな感じかも」


「あっ、そうや!あやめっちに何か、なつかしい景色でも見せたろかな?」

「え?なつかしい景色?」


「えいっ!」

「うわっ!なんか、草木の生えた広い風景、頭の中に広がってきた」


「そやろ」

「でも、なんとなく、今いる、この場所みたいなのは、気のせいやろか?」


「いや、気のせいとちゃうで」

「ほんまに、昔のこのあたりなん?」


「そうやで~」

「あ、ちっちゃな家もある...あ、人もいる。うちに向かって笑って手をふってる!可愛い女の子みたい」


「あははは」

「遠くて、顔とか、よくわからへんけど、前にも会ってたような」


「これくらいにしとこ!ほな、府立高校もしっかりね」

「わかった、ありがとう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る