(二)-6

「あんたが、シマオの営業の方?」

 男性は「取締役社長 高儀昭博」と名前の入った名刺を真佐貴に私ながらそう尋ねてきた。真佐貴が肯定の返事を返すと、いい終わらぬうちに「俺は個人的に使ってんだよね。確かにすっげえいいからね。だから客にはオプションで納車時のワックスと撥水加工をおすすめしてるんだよ。でもなかなか注文が入らなくてね。車はぼちぼち売れてんだけどな。やっぱ中古で買う人は金ケチってる人多いから、そういうのいらねえっていう人がほとんどなんだよな。高級車ならまだしも、うちみたいにファミリーカーメインでやってると、なおさらだね」とまくし立てた。

 その後、店に納品ができるか、販売本数どのくらいになりそうかなどと話をした後、真佐貴はこの店を後にした。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る