P.9


    僕が………

   神社の外に目を向けた瞬間……


   シンゴ少年が突然………



 「 あっ! あれかもしれない!! 」 



    そう言って………

   神社の表門前の道路へと………


   ………走って行ったのだった。


   すると…………


   車の走行音とヘッドライトの光が…

   徐々に…………

   近づいて来ているのが分かった。


   僕は、咄嗟に思った………



 ( ま、まさか…!!?


   “あの日” ………………

   シンゴが、事故に遭ったのは……


   『大切な物』 を…………


   神社の表門で見つけて………


   “突然飛び出した” ………のが、


   原因だったのかぁっ…!!! )



    今まで………

   罪の意識に苛まれていた………


   僕の心に、ようやく………

   ………晴れ間が見え始めていた。


   が、しかし…………


   そんな風に…………

   浮かれている余裕なんてなかった。



 「 ク、クソっ…!!

   間に合ってくれぇっ…!!!


   シンゴぉーーーーーっ…!! 」



    僕は…………

   道路に飛び出したシンゴ少年を…


   思いっ切り、突き飛ばした。



 〈     ドンッ…!!    〉 



  ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

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