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…………ん?
ちょっと、待てよ……………
自ら車に飛び込んではいない………
……………となると、
シンゴは、どうして……………
エミの叔父さんが運転する………
“車の前” に、突然…………
飛び出したりなんかしたんだ…? )
僕は、頭を抱えた………。
すると、シンゴ少年が…………
「 あっ、さっき…………
ケンジぃ………… いやっ、
僕の友達に、たまたま会ってね……
雨が降るからっ………
一緒に帰ろう………って、
そう言われたんだけど…………
……………僕ぅ、
まだ帰れないんだ………… 」
少し顔をしかめながら言った。
僕は、その時…………
“ケンジが言っていた事” を……
……………思い出した。
( そういやぁ…………
“あの日” シンゴは…………
『大切な物』 を無くした………
……………って、
そう言ってたんだよな………
それを探す為に…………
ケンジと帰る事が出来なかった……
……………って。
そうだ、今、俺が………
一緒に探してあげればっ………
シ、シンゴは…………
家に帰るハズだっっっ…!! )
僕は、シンゴ少年に問い質した。
「 そ、そうだっ、キミ…………
何かっ… “大切な物” をっ……
無くしてしまったんだろ…!?
もし、よかったらっ………
…………教えてくれるかな?
おじさんも一緒にっ………
探してあげるからさっ…!! 」
シンゴ少年の…………
僕を見るその人身は、まるで……
宇宙人を見ているかのようだった。
「 そこまで知ってるんだぁ…!?
……………えっ、えっとぉ、
何て言えばいんだろぉ~………
ヒモと、ビーズで出来た………
“リングみたいなヤツ” ………
なんだけどぉ~………… 」
( ヒモと…… ビ、ビーズ?
ネックレス………か??
そ、それとも……………… )
イメージを浮かべていると、
空一面が雨雲に覆われ始め………
次第に雨がポツポツと………
……………降り出した。
「 うわうわっ、降って来たぞっ!
シンゴ君っ、早く探そう…! 」
僕は…………
全身ズブ濡れになりながら………
死に物狂いで探した。
「 ハァッ… ハァッ……
神社の中は、もうっ………
探す時はないみたいだっ………
……………そうなると、
ここに来るまでの “経路” を……
辿って行くしかないなっ…… 」
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