P.3


  そんな中……………


  小学校生活最後の大会が………

  やってきたんだ…………


  奇しくも俺は、その時………


  原因不明の高熱を出してしまって、

  大会に…………

  出場できなくなっちまったんだ。


  大会を……………

  辞退せざるを得なくなった俺は……


  “ある考え” が…………

  頭の中に浮かんだ……………。


  それは…………………


  俺の代わりに……………


  “シンゴ” を…………

  スタメン出場させてあげたい…って。


  俺はすぐ、監督に電話した………



  《 監督っ、お願いです!!

   シンゴを、俺の代わりにっ……


   スタメンで使って下さい!! 》



  ……………ってね。


  快く……とまではいかなかったが、

  監督は、承諾してくれたんだ……。



  そして、当日……………


  試合はPK戦にまでもつれ込む……

  …………大接戦だった。


  相手チームに先制点を決められ……


  後がない状況で回ってきた………

  “最後のキッカー” が………


  ……………シンゴだった。


  そこで……………だよ、


  シンゴは、シュートを…………

  …………ハズしてしまったんだ。


  俺が思うに…………


  その時のシンゴは………

  相当なショックを………


  受けていたんじゃないか……って。



  “自分のせいで負けた” ………



  …………そう思っていたのか、


  シンゴは………

  クラブのワゴン車を降りた後………


  一人…………

  どこかへ行ってしまったらしいんだ。


  なかなか………

  家に帰ってこないシンゴの事を……

  心配していた家族の元に、


  一本の電話が掛かってきたんだ。


  シンゴが…………


  交通事故に遭った………って。


  場所は、田吉神社の表門の………

  “小路” …………だった。



  ………………あの日、


  俺が監督に電話しなけりゃ………


  シ、シンゴは……… くっ、


  死なずに…………

  済んだのかもしれない……って。 」



   感情的になったせいか………


  僕の “視界” は、より一層……

  回り出していた…………。


   すると、次の瞬間…………

  エミが “とんでもない事” を……

  …………言い出したのである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る