P.4


 「 ………………、

   ……………ごめんなさいっ!!


   マーくんが…………

   ……………マーくんがっっっ、


   い、今まで…………

   そんな気持ちだったなんて………

   …………わ、私……………。


   マーくんの………………

   そんな “思い” を……………


   知ってしまったからには…………

   私も………………


   “あの日の事” ………………


   正直に話さなきゃいけない……。


   ………………私も、

   マーくんと……………………


   “同罪” なのかもしれない…… 」



    エミは…………

   泣きながら続けた…………。



 「 あの当時…………

   私の両親って、共働きで………


   学校が休みの日でも………

   働きっぱなしで…………。


   ………寂しそうな私を見兼ねた、

   叔父さんが…………


   週末になると、よく………

   遊びに連れて行ってくれた………。


   ………… “あの日” ……も、


   遊園地の帰りだったわ…………


   ………………、


   家の近くだった田吉神社の………

   表門の “小路” を通った時……


   ………………突然、



 〈 ドォォォーーーーーンッ…!! 〉



   ……………という、

   大きな音と共に…………

   全身に衝撃が走ったわ………。


   その時、叔父さんは…………

   今までに見た事のない形相で……


   私に言ったの…………



 《 エ、エミっ…… 絶対に車からっ…

   降りてくるんじゃないぞ…!!


   わ、分かったなっ…!!! 》



   ……………叔父さんは、

   確信したのよ………………


   人を跳ねてしまった………って。


   あ、あの時、私……………


   車の窓から、その光景を………

   見てしまったの…………


   そしたら、そ、そこに…………


   血まみれになったシンゴが……。


   私は、気が動転して…………

   咄嗟に目を閉じた…………。



 ( な、何も見てない…… 何も… )



   そうやって、ずっと………

   自分に言い聞かせていたの………。


   あの時…………

   私に何か出来たとは思えない……


   …………………けど、


   あの日、あの時……………


   私達が “あの道” を………

   ……………通らなければ、


   シンゴは、死なずに………

   済んだのかもしれない……って。 」



    そう言って、エミは………

   涙でぐちゃぐちゃになった顔を……


   ……………両手で覆った。


    すると………………


   一人だけ……………

   “冷静” ………に見えていた、


   『ケンジ』 が……………

   ………………またしても、


   “とんでもない事” を…………


   打ち明け始めたのだった……。

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