第34話 最重要保護人物 理人


「さてと、皆さん、ようやくこの世界に正常な男性が生まれました」


「それは、本当ですか? 間違いじゃないのですね」


「ええっ、それは私がこの体で体験しましたから間違いありません」


「それでは、ようやくあの計画に移れますね…まずはランクが低い者、横柄な者から使い潰していきましょう」


「身分はく奪…奴隷以下…それでどうでしょう?」


「それで良いと思いますわね…女を愛さず、それでいて搾取して横柄な存在は…最早、死んでも構いません」


◆◆◆


この世界の男にはランクがある。


男性レベル制度

種族繁栄の為に作られたランク制度、この世界の男性は、密かにランクづけされている。


Sランク...1週間に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。

     女性に対して恐怖心もなく、関心をみせ、普通に過ごす事が出来、スキンシップの拒絶もない。

     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者


Aランク...月に一度の周期以上で性的な衝動がある男性。

     女性に対して無関心だが、普通に過ごす事が出来る、軽いスキンシップが可能。

     精子に問題が無く、通常の性行為が可能な者。


Bランク...年に数回程度の性的な衝動がある男性。

     女性に対して軽い拒絶反応があるもの、軽く触れる事は可能。

     精子に問題が無いが、性行為には一部抵抗を示すが軽い改善策で性行為が可能な者。


Cランク...性的な衝動が無い男性。

     女性に対して完全に拒否反応がある。接触すると拒絶し暴力的になる。

     精子に問題が無いが、性行為自体を拒絶する、もしくは性行為不能な者。

     但し、人工的な方法で精子搾取な可能な者。


Dランク...性的な衝動が一切無い男性。

     女性に対して完全拒否、敵対反応がある。

     精子に多少の異常が見られて、精子を搾取しても妊娠率が低い者。


Eランク...無能力者

     いわゆる、性不適合者。



Bランクですら数が少なく、我が国における大多数の男性はCランク以下である。

S、Aについてはここ数年で認定された者はいない。


◆◆◆

「それで、どのランクから斬り捨てるかだがEはもう要らないだろう?」


「待て待て、男女比が正常な訳じゃないよ…奴隷として販売すれば欲しい者も多く居るから金になるんだよ…人権を取り上げて売れば良いんじゃない? 最悪、脳下垂体に電気でも流して勃起状態を維持して性欲の捌け口に使うのもありじゃないかな?」


「まぁ、インポの男は価値は無いわね、人権無しの奴隷が妥当じゃない、どうかしら?」


「「「「「「「意義無し」」」」」」」


「それじゃ、まずはEはこれから人権無しって事で、あとはC、Dはどうするかだね」


「男性保護法から外せばいんじゃないか? 女の市民と同じ扱いで、どうせ、手に職も無く無能な存在だから、放っておけば自ら奴隷に落ちていくか体を売るんじゃない」


「そうね、だったらB級以上しか『男性保護法は適用しない』それでよいかしら」


「それで良いと思うよ」


「そうだね、意義は無いよね?」


「「「「「「「異議なし」」」」」」」


「それでは、シャルナ様の言う、理人はどうしますか?」


「あんた馬鹿なの? VIP扱いに決まっているでしょう? 理人が居ないとこの計画は成り立たないのよ! 非公式だけど、王族より優先…当たり前じゃない?」


「それは逆らったら王族でも殺す…そこ迄考えても宜しいんですか?」


「当たり前じゃない! 王族なら替えがきくけど理人は替えがきかない…そう思わない?」


「確かに…正常な男なら…その通りです…ですが、本当にそうなのでしょうか?」


「まぁ、良いわ…ほら見てみなさい」


記録水晶を放り投げた。


辺り一面に私と理人の情事が映りだされた。


「「「「「「「触っただけで勃起ですか」」」」」」」


「シャルナ様の貧相な体で、この反応」


「自分から腰を使っている…なんて男だ」


「もう良い? 解ったかしら…しかも理人の精子は正常…どうかしら」


「S級なのですね」


「ええっ」


こうして理人を最重要保護人物にする事が裏で決まった。

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