第33話 誰も気がつかない一歩


「凄いわね理人は!女と二人でお風呂に入れるなんて」


正常な俺からしたら凄く眼福だ。


裸の女性を触り放題、見放題!


前の世界じゃ、一体幾らかかるのかな。


もし、そういうお店に行っても、きっとシャルナみたいな美人にあたる可能性は低いんだろうな…


目は釣り目できつそうだけど、背は低くて貧乳だけどスタイルが良い。


そして可愛い。


「…」


「どうしたの?! なんだかぼうっとしているけど?」


「いや、シャルナって凄く可愛いよな」


「り、理人は何を言っているのかしら? 私が可愛いなんて…そんな…そうだ、理人は何か欲しい物があるの?! 湖畔の別荘とか? 宝石? 何でも欲しい物買ってあげるわ」


パソコンが欲しいけど、この世界じゃ無理だよな。


家電以外で欲しい物はないな。


「別に欲しい物はないな…」


「それじゃ、なにかして欲しい事ある? 高級レストランでもなんで連れて行ってあげるわ」



此処の施設に居る限り必要ないな…まるで前の世界のウーバー並みに、欲しい物が無料で届くんだから。


「それも無い、しいて言えば、貴族の作法…あれをして欲しい」


「ええっ、良いの?! あれは、貴方じゃなくて、私のご褒美みたいな物なんだけど?!」


あれは凄いとしか言えない。


俺は殆ど寝ているだけで、上でシャルナがまるで風俗嬢みたいに、色々してくれる。


「うん、それじゃ、今夜も私頑張るわね…だけど私1人じゃ寂しいから、理人にもして欲しいな…」


「それじゃ、交代で、やろうか? だけど、最初はシャルナからで良い?」


「良いわよ? それじゃ…」


凄いよな!躊躇なくなんだから…


貴族の作法、貴族の嗜みって凄い。


確か記憶違いじゃ無ければ、日本にも偉い人専用のそういう嗜みやルールがあるって聞いた事があるけど…これはエロくて凄い。


舌なんて生き物みたいに絡みつけてくるし…目が座っているというか惚けているというか、妙な色気を出してくる。


この快楽は凄すぎる。


あの日の様にお互いを貪りあい貪欲なSEXをし続けた。



◆◆◆


「ハァハァ、流石に堪能したわね、理人はどう?」


「シャルナさえ良ければ、まだ出来るけど?」


「凄いわね…この国をはじめ、この世界は搾精に凄くお金を使って居るのに、理人としていると、凄く滑稽に思えるわ」


「そうかな?」


「そうよ! 理人みたいに優しく女に接してくれるなら、良いわよ! だけど、殆どの男は傲慢で、性格が悪いわ! 女に養って貰っている分際で偉そうに…」


確かにそう言われても仕方が無い気がする。


「そうですね…」


何と言ってよいか解らないな。


「そうよ! これはなにか考えるべきだわ…」


「え~と、流石に政治的な事は解らないよ」


「あはははっ、ゴメンね! そんな事忘れて続きしようか?」


「そうだね…」


◆◆◆


この日が世界が変わる第一歩だという事にこの時は誰も気がつかなかった。



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