第8話 登録
再び衛兵所に向かっている。
しかし、見れば見る程、凄い美人だ。
絶世の美女とはまさに彼女みたいな人の事を言うのだろう。
背なんて8等身を通り越して下手したら9等身近い。
手足はすらっとしていてスレンダーな体。
髪の毛が長くて風に靡いている。
そして長い睫毛が良く似合う切れ長の目。
この世界は美人に美少女だらけだけど、此処迄の美女はまだ見た事が無い。
前世も含んで、ナンバーワンの美人だ。
「どうした、急に私の方を見つめて? どうかした…ああっ、やっぱり、私と友達になるのが嫌なのか? そうだな、こんな…」
「いや、そうじゃ無くて、カセリアさんは凄い美人なのに、何故男に縁が無いのか解らなくて…」
「美人?! 私がか? 顔に傷がある女だぞ!こうなる前は、まぁ貢げば付き合ってくれる男は居たが、顔に傷が出来てからは皆無だな!それまで多少は付き合いがある男は居たが、顔に傷が出来てからは『キモイ』『話しかけるな』ははは、そう言われたよ」
なんと勿体ない。
「俺には凄い美人に見えますよ!」
「そうか…まぁ凄く嬉しいよ!」
笑いそうもない美人が笑うと凄い破壊力だな。
「そう言えば男性に会わないんだけど?この世界の男性ってどんな感じなの?」
「この世界の男か? う~む、外見で言うならオークみたいなデブが多いな!あと尊大な性格で、基本的には何もしない引き篭もりが多い…割とましなのは王宮に居る男だな」
そう言えば王宮で確かに男に会ったけど…ザモブって感じだった。
あれで良い方なのか?
「同級生の男は結構良い男になると思うけど? この世界の男が戦わないから戦わされる…そう言う事なのかな?」
「ああっ、それは無いな」
「魔族と戦う為の、異世界人召喚そう聞いたんだけど」
「此処だけの話だけど、戦わされるのは女と勇者パーティの人間だけだよ! 男の方は貴族に建前上は『戦力』として引き渡されるが実際の所は種馬あつかいだな」
「種馬?」
「貴重な男を戦いで殺させる様な事はしない…一応は貴族に『戦力』として派遣はするけど、実質は弱い敵と戦わせるだけだよ!それで跡取りと恋するように仕向けて、 跡継ぎ作りだな…貴族にとって1番欲しいのは 跡継ぎだ!この世界の男はあっちの方はからっきしだから…ははは、何も知らないうちにチヤホヤしてまぁ頂いて囲っちまおうという訳だ」
「あっちがからっきし…」
「この世界は男女比が1対5だけじゃ無くて、男の性的能力が弱いんだよ…それこそ女が3時間も奉仕してようやく勃起する位の男性でましな方で、酷いのになると所謂インポで使い物にならない…だから異世界人の男性は貴重なんだ」
そんな男だけで勝ち組みたいな世界なら、あんな事望む必要は無かったな。
「それなら、人口的にこの世界は凄く危ないんじゃないですか?」
魔王よりそっちの方が深刻な気がする。
「ああっ、元は凄く多かったが随分と減少してしまった!その為、この世界の男には死刑が無くなった位だ」
男が重犯罪を犯した場合は性的行為で償うらしい。
「すごい話ですね…」
「まぁ、この世界ではこれが常識なんだ…おっ衛兵所についたぞ…本当に良いのかな?」
是非ともお願いしたい…それ以外ない。
「勿論です」
「そう…ありがとう」
凄く嬉しそうだ。
◆◆◆
「嘘だよね? この間はスラムのガキ…今度は顔に傷がある女…なら私だって…」
「衛兵が勤務時間内に男性を口説くのは、犯罪だよな」
「あはははっ冗談ですよ、今回も友達ですか?」
「はい」
「それじゃ二人とも冒険者証をお願い致します」
「「はい」」
この世界…気のせいか全然ファンタジーじゃない気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます