63 夏だ水着だお仕事だ
仏像が猫のように丸くなって寝息を立てている頃、
〔餌〕「話が違うんだけど。これじゃナンパ出来ないじゃん」
〔長〕「海水浴って言ったっしょ」
むさくるしい男ども占めて十名近くがやって来た海岸には、ナンパできそうな若い女の子は一人たりともいない。
〔餌〕「海水浴は出会いの場でしょーっ。何でぴっちぴっちの水着姿の」
〔加〕「ここにいるだろ、ここに」
〔餌〕「あなた
〔加〕「くされパンダ生言ってんじゃねえぞ。あんまり生コクと女の子紹介してやらんぞ」
〔餌〕「辞退いたします。どうせろくなもんじゃない」
〔天〕「今日は女の子が来るって」
〔餌〕「噓でしょっ。ろくな奴が来るの。思わず空中平泳ぎ決めちゃうような」
〔青〕「足元が荒いので気を付けてくださいじゃん」
エゾウコギなめ茸監督率いる『なめ茸組』見習いの
〔あ〕「えーここ超きれいじゃんっ。
〔長〕「
『みのちゃんねる』の古参メンバー登録者でありグラビアモデルのあさぎちゃんが、フィギュアさながらの恵まれた
〔井〕「うおおおおおっ。何で
あさぎちゃんにくぎ付けの井上の後ろから、さらに井上を大興奮させる女子軍団がやってきた。
〔あ〕「いちご
〔餌〕「
ピンクのふりふりセパレート水着姿の小柄な女子・永見まりもが
〔?〕「ああああっ。まさか、まさか
アイスブルーのハイレグ水着に身を包んだ八頭身の美女に
いずれ劣らぬ美女軍団に高校生男子達が
〔エ〕「エキストラのみなさーん。早朝からご苦労様じゃん」
〔井〕「エキストラ?」
明らかに
〔青〕「これからエゾウコギなめ
〔天〕「俺らあの美女軍団のボディガードなの」
〔服〕「ナンパしてくる奴らから彼女たちを守れと」
〔餌〕「こんな
〔加〕「くされパンダ、鏡見ろや」
〔餌〕「あ、いた」
ナンパ出来ないと騒いでいた一瞬前の自分を思い出し、
※※※
エゾウコギなめ
〔監〕「ありがとなんじゃん。おかげで良い絵が撮れたじゃん。
〔青〕「ありがとうございますじゃん」
〔監〕「これで皆で飯でも食うがいいじゃん。釣りは
エゾウコギなめ茸は
〔井〕「確かに女の子には会えたけど」
〔山〕「監督付きでお仕事中の
〔長〕「出来る訳なくない」
〔天〕「それがここにいるんだよな」
〔陸〕「小柄童顔って警戒されないから有利なんだよな。俺なんてジェシカ様と結局目も合わせられずじまいだよ。スマホ越しだったらずっと見つめあえるのに」
長距離走の選手らしくしゅっとした体形の彼は、長じれば合コンで一番人気になりそうな素材の持ち主である。
〔?〕「そもそもさあ、俺らまだ自己紹介も終わって無くない。俺二年一組の
シックスパックに割れた腹筋の持ち主が、ひっそりと気配を消していた服部に目線を向ける。
〔服〕「えっと、今日皆に集まってもらったのは他でもない、落語研究会改め草サッカー同好会の新入部員募集についてなのですが。この後は
服部はモアイのような目を、濡れた髪に砂をまとわりつかせた一同に向けた
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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