36 昭和かっ
〔青〕「おかげで良い絵が取れましたよっ。まさか二〇対〇とは」
〔シ〕「ゴレイロ(GK)に
シャモが半ば呆れたように無人のピッチAを見ると、黙って座っていたしほりがそっとスポーツドリンクを差し出した。
キャップが密閉されている事を確認したシャモは、かちっとキャップを開けてのどを鳴らす。
シャモの
〔飛〕「おしゃべり一つもせず、何が楽しくて一緒にいるんでしょうあの女の人。清楚で無口でお淑やかなお嬢様なんて、今どき異世界ファンタジーラノベですら
飛島は時に
〔下〕「もしかして、『お
あれほど『お百度参り』『生霊』と散々にしほりをこき下ろした
〔餌〕「用事がある時は、エロカナとも普通に話すらしいよ」
神妙な
〔三〕「
〔麺〕「時間が無いから大したことは出来ませんが、しゅっとした感じに仕上げますよ。
〔三〕「五分でしゅっとできるの。俺絶対メイク術覚えなきゃ」
〔多〕「良いよ。じゃ、十分後にここに集合して記念写真を撮ろうな」
一方こちらは一階ロビーの飲料コーナー前。
〔長〕「そう言えば、今日は加奈さん来ないの」
〔天〕「吹奏楽部の大会直前だから無理なんだって」
加奈に思いを寄せている
〔服〕「夏の吹奏楽部は地獄絵図って言うよな。あっ、パンダ君。パンダ君って元吹奏楽部だったよね」
服部から話を振られた
〔餌〕「パート練習がウザいんだよ。自分が吹けてても一人でも合わせられない奴がいると同じ四小節を延々と」
〔天〕「それで高校では吹奏楽部に行かなかったの」
〔餌〕「時間は取られるし上下関係は厳しいし。
クラリネットは好きだったんだけどね、と餌は付け加える。
〔服〕「
〔餌〕「顧問自体がマーチングバンドの強豪からトランペットで音大に行った人だったもん。疑問なんて持つわけないじゃん。むしろぬるすぎるって言ってた」
昭和か、とプロレス同好会一同はあきれ顔である。
〔長〕「パートリーダーだったんでしょ。飛島君から聞いたよ」
〔餌〕「上が引退するまではただのパシリ。僕はこれでもまだマシで、気の弱い奴は本当に言いなりだったね。小学校の吹奏楽クラブはエロカナの天下だったし」
餌は自販機で買った桃ウォータ―をぐびぐびと飲む。
〔餌〕「
そこがまた良い、と
〔下〕「第二試合の相手はピッチBの勝者。MSKブラザーズっす。負けたチームが『昭和かっ』って
〔長〕「気にはなるが見に行く時間はねえか」
〔服〕「
〔下〕「ちょっ、
〔餌〕「嫌なら嫌って言っていいんですよ」
〔天〕「女子プロレスの
〔長〕「昭和時代に、ダンプ
あまりの言われように、
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます