32‐2 なお監督の人望は篤い模様
〔粟〕「
着替えを済ませた『落研ファイブっ』に、
〔粟〕「さあ楽しい
※※※
呼吸の重要性は言わずもがなだ。
だが――。
〔粟〕「『ぷりっぷりの桃がお尻になっちゃったあ』。はいっ、大きな声で復唱して。頭にぷりっぷりの桃を思い描いて。
〔仏〕「オカシイって」
イメージトレーニングを活用した
〔粟〕「桃がお尻になっちゃったあ。はいリピート・アフター・ミー」
〔餌〕「桃がお尻になっちゃったあ♡」
〔粟〕「中腰で胸の前に手を合わせて、ハートを書くように
〔餌〕「
餌は絶好調にノリノリである。
〔仏〕「こんな練習毎日やってておかしくなりませんか。ただのヤバい人じゃ」
仏像は中腰になりながら、
〔平A〕「監督の言う通りにすると、不思議と固まった
〔平C〕「多分、イメージのわきやすい言葉を使うのが得意なんだと思います」
助けを求める目で仏像が多良橋を探すと――。
〔多〕「はいrepeat after me♡」
※※※
ようやく
〔仏〕「シャモ、今日は
〔シ〕「俺は『売られた花嫁』同然だぞ。
〔仏〕「せっかく彼女が出来たのにな」
〔シ〕「高三の夏休みまでに、普通の女と普通のお付き合いがしたかっただけなんだよな。逆玉の
お前らが思うよりずっと俺は悩んでるのよとつぶやくシャモに、仏像はいつも通りの突っ込みをする気にはとてもなれなかった。
※※※
ストレッチの後は、お待ちかねの練習試合である。
〔多〕「ゴレイロ(GK)
それぞれのポジションに収まると、服部と
〔松〕「午前九時現在 薄曇り 気温二十度 南東の風一メートル。砂質は――」
あれこれとノートにメモをしていく松尾に、
〔松〕「慣れですよ慣れ」
※※※
〔松〕「『逆張りのシャモ』は今日も健在っと」
ファーにボールを要求したシャモを無視してニアにボールを蹴った
〔多〕「良いね良いねっ」
〔粟〕「守りに入るなっ」
〔松〕「敵将
〔三〕「武将カードのパラメーターかっ」
およそスカウティングには関係なさそうな情報までノートに書きこんだ松尾に、
〔服〕「敵七番、左が弱点だね」
〔天〕「九番のシュートも勢いはあるがコースが単調だ」
〔多〕「
〔粟〕「フィードボールはヘソで投げろっ」
ベンチで戦況を見守る面々が思い思いに感想を述べていると、
〔三〕「ヘソで投げるって意味わかんねえよ」
〔松〕「
〔天〕「松田君ってもしかして武道系」
天河の問いに松尾は否定も肯定もせず、戦況をじっと見つめていた。
〔多〕「
対戦相手に審判を出させたのがあだとなり、笛は明らかに
〔審〕「ピギイイイイイイ!」
〔三〕「何で口で笛の音真似をするんだよ」
審判用の笛に不具合が生じたらしく、第一審判が口で笛の音真似をする。
〔天〕「
〔多〕「
ゴールポストぎりぎり上に
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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