67-2 笑いのメカニズムを追求する男
〔シ〕「俺の恋人?! こっちが知りてえ」
〔仏〕「しほりちゃんにキスマークだらけにされたんだろ」
シャモの恋人疑惑に、野球部の今井と陸上部の
〔シ〕「待て待て、あの死にかけ
〔餌〕「残念ながらシャモさんの彼女である竜田川千早改め藤巻しほりは今回は出演しないですね」
だからあれだけは絶対勘弁してくれとシャモがネギ坊主頭をかきむしる。
〔餌〕「真面目に答えると。主任(トリ)が
〔仏〕「主任(トリ)が
ダメだこりゃとため息をつきつつ、心のどこかでほっとしている落研だった。
※※※
一方こちらはにぎわい座。
〔津〕『なぜ俺は笑った。なぜだ。そも、笑いとは何なのだ。人はなぜ、笑うのだ。人はなぜ笑うためだけに
せっかくの
〔三〕「ちょっと好みに合わなかったかな。今日の
〔津〕「『笑い』とは何か。これを解明し、体系化する事を、私の生涯のテーマにしようと思います」
〔三〕「そんな大げさな」
三元が予想もしない返しをした津島は、真剣そのものである。
〈にぎわい座 楽屋〉
恐る恐る楽屋に顔を出した
〔山〕「笑いのメカニズム。そりゃあるに決まってるよ。集中と
食い気味の質問にも嫌な顔一つせず、
〔山〕「ただしこれ以上は企業秘密だね。弟子にだって体系立てては教えてやらないあたしの飯のタネだ。お兄さんはお兄さんのやりようで解明してごらんなさいな。一生モノの大事業になるよ」
津島は雷に打たれたように、びしりと礼をした。
〈三日後 早朝練習時〉
〔三〕「やってられねえよ」
〔多〕「
〔下〕「いっそ試合前だけ雪が降ってほしいっす。まだ朝七時だって言うのにもうこの暑さですよ」
〔シ〕「例のプールで浮かびたい」
他のプールじゃダメなのかよと仏像が突っ込む。
〔餌〕「もうお腹いっぱい。新入部員募集のポスターはがそうかな」
〔飛〕「そうしたら、あの二人は
飛島は見た目に反して時折ブラックである。
〔餌〕「飛島君がいるじゃん。松田君が抜けた代理は飛島君が」
〔飛〕「嫌ですっ。長津田君は
〔仏〕「
〔餌〕「いいや、仏像トークしてる時の仏像だって同じじゃん」
〔今〕「だから、落語千本ノック」
げっそりとため息をついた一同に、野球部アルプス席在籍の今井はひょうひょうとしたものである。
〔三〕「変に行動力のある男で勝手にそれをやり始めたんだけど。まだ正式な入部届も出してないくせに、うちの部員だって名乗って大騒動を引き起こしやがった」
〔多〕「どういう事」
※※※
〔多〕「関係の方々にはこちらから
三元達が助かったと胸を撫でおろしていると、多良橋は職員室へと走っていった。
〔下〕「三元さん、何があったんすか」
〔三〕「
〔餌〕「
〔仏〕「何でよりにもよって松尾の後継ぎがそんな奴なんだよ」
仏像は恨めしそうに餌を見た。
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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