67-1 こじらせた男
〔う〕「やあやあ良く来たね。そちらさん方が夏の新入りさんだね」
仮新入部員二人をにぎわい座に
〔三〕「そうだよ。特にこちらの
哲学談義を
ただし、余りに生真面目すぎて危なっかしいとは、津島を知る教師生徒の共通した見解である。
松葉づえとさよならしたばかりの津島は、
〔三〕「こちらは
〔う〕「そりゃまるで若様じゃないか」
長津田は、人見知り気味に頭を下げた。
※※※
〔う〕「ご存じかもしれねえが、
〔三〕「にぎわい座は客席で飲食が出来ねえのがちょいと残念だがな。ワンカップ片手に
〔う〕「まま、ジジイと
〔三〕「仏像は元々オリンピックのメダル候補クラスのスノボ選手だったし、
※※※
〔仏〕「あれ、結局シャモも
〔飛〕「ぼくは松田君の代理ですから、
〔シ〕「だってあの新入り共、どう考えても競技かるた部からのし付きで押し付けられた野郎どもだぜ」
シャモが伸びかけのねぎ坊主頭を
〔餌〕「いきなり大地母神に
初対面でおっぱいトークは確かにどうかと思うぞと、仏像が突っ込みを入れる。
〔飛〕「僕だって『ダヴィッド同盟(※)』について延々と語られて大変でしたよ。松田君はさっさと逃げちゃうし。本当にあの子は要領が良いんだから」
元競技かるた部の二人に振り回された三人は、げっそりとした顔でお互いを見合った。
〔今〕「随分とまたこじらせてやがるな。落語千本ノック行っとけ。そのご大層な頭が空っぽになるまで落語を覚えさせるしか対処法はないと思う」
ぼやきを隣で聞いていた野球部アルプス席の今井が声を掛けてきた。
〔仏〕「野球部が言うと説得力半端ない。やってみるか」
〔餌〕「知識人っぽい
〔仏〕「今頃うち身師匠とにぎわい座の洗礼を受けてるころだから、話が違うって怒りながら入部取りやめしているかもな」
〔シ〕「今日のにぎわい座、誰が出るの」
〔仏〕「シャモの魂の恋人か」
〔飛〕「あれ、SNSブロックされたんじゃ」
〔下〕「マジっすか。今度こそマジに普通の彼女が出来たっすか」
シャモの恋人と聞いて、真面目に
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
※ダヴィッド同盟 ドイツの作曲家/作家であるシューマンが作った理念上の団体。
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