真のスーパーノヴァ
54 渋谷で五時
時は部活動休止目安となる外気温をはるかに超えた七月中旬。
高温警報が出る中、練習中止になった一同は強い日差しの中をかげろうのごとく駅へと歩む。
〔仏〕「こんなに暑い中、
四月のサッカー部監督の部費使い込みに端を発する暴動事件の余波は、いまだ尾を引いている。
〔シ〕「とは言っても
元U15サッカー日本代表候補にして横浜マーリンズジュニアユース
彼が例えビーチサッカーの試合であるにせよ、サッカーと名の付く大会に出たがるのは分かる。
だがしかし。
〔松〕「服部さんの熱の入りっぷりはただ事じゃありませんね」
七月の大会でMSKブラザーズのS(
〔シ〕「二学期からはプロレス同好会も退部して、草サッカー同好会を本格的にビーチサッカー仕様に切り替えるとかさ。やめてくれ全く」
〔餌〕「協会登録したがってますからね。ゆるくやるなら異存は無いけど、それじゃ本格的な部活になっちゃうじゃないですか」
そんなの楽しくないよおおっと餌がかぶりを振る。
〔三〕「八月第一週の練習試合はお前らどうするの。午後五時からの上に一泊二日の日程じゃ、俺は行けねえよ」
介護施設の
〔仏〕「そもそも『渋谷駅に午後五時集合』って。改札が一体いくつあると思ってんだ。そも鉄道会社が何社乗り入れてると。これだから
〔餌〕「『
〔仏〕「
腐っても落研な仏像らしい言い分である。
〔松〕「保護者の
〔仏〕「俺も行きたくねえけど、父親とずっとあの家にいるのも避けたい」
自宅警備員に転職した父に悩まされている仏像は、参加する方向である。
〔餌〕「シャモさん、行きましょうよ。こんどこそ高三の夏までに普通の彼女ゲットですよ」
『お百度参り』こと藤巻しほりにSNSブロックされて振られた事になっているシャモに、餌は何とかしてチャンスを与えたい様子だ。
〔シ〕「お前らとナンパに行っても何の成果もなさそうだし。ちょっとここらで行動半径を変えてみるのも手かもな」
かくして、『落研ファイブっ』は『アレ』との再会を果たすことになるのである――。
※※※
八月第一週の午後五時。
〔粟〕「遠路はるばる暑い中ありがとうございます。みんな、
マイクロバスから降りてきた
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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