52-1 本日のお相手は幼女?!
初の練習試合を行ったあの海岸に、『落研ファイブっ』が集結した。
〔シ〕「今日はエロカナ軍団を呼ばないのな」
〔餌〕「あの女どもの相手をするこっちの身にもなってくださいよ」
横で柔軟をする餌にたずねるも、
〔三〕「何だかんだでしほりちゃんに未練たらたらなんだろ。SNSをブロックされたんだから
〔餌〕「その件ですが、あの後、『お百度参り』こと
〔仏〕「何その全力逃亡。シャモ、お前記憶がないうちに何をやらかしたんだ」
〔シ〕「こっちが聞きてえよ」
俺が結局覚えているのは
〔シ〕「それにしても松田君は相変わらず大荷物だね。今日はどこに行くの」
〔松〕「午後から
〔下〕「柿生川小OB会はあの後もビーチサッカーやってるんすかね」
※※※
〔桂〕「お早うございますー! 相変わらず早いですねえ」
長袖Tシャツにカーゴパンツ姿の
〔赤〕「はーしーらーなーい! ちーちゃんそれポイしなさいっ」
赤うさぎエプロン姿の若い男性が、空き缶を拾ってしゃぶっていた幼女に駆け寄った。
〔ピ〕「痛い痛い痛い!」
〔緑〕「こらーっ。先生の髪を引っ張っちゃダメでしょ。ごめんなさいは」
〔仏〕「オイちょっと待て。いくら俺たちが初心者とは言え、今日の相手はこの幼児共なのかよ。練習ってより
ピンクうさぎエプロンの髪を引っ張り続けるガタイの良い幼女に、目につくものをとりあえず全部
〔天〕「うおーいっ。どすこーい!」
〔子〕「きゃっきゃきゃ」
〔シ〕「まさか
〔長〕「セントーン!」
〔子〕「もう一回! もう一回!」
こども園の園庭と化したピッチそばで駆けずり回る子供たちに囲まれながら、仏像はすがるように
〔多〕「今日の対戦相手の」
〔仏〕「子供じゃねえか」
その声に、子供三人にのしかかられていた、うさぎエプロン姿の長身の男性が振り向いた。
〔桂〕「今日の対戦相手、『うさぎ軍団』の皆さんだよ」
〔キ〕「おばようございばずうっ。本日ば貴重なお時間を割いで頂きばじで、誠にありがどうございばずっ!」
〔餌〕「
〔長〕「そんなしゃべり方をする
〔桂〕「子供たちの体作りの一環として、ビーチサッカーを取り入れるそうだ」
〔服〕「サッカー歴のある先生はおられるのですか」
〔キ〕「二人おりばず。みんな、ごっっぢごおおおい」
呼びかけに応じてうさぎエプロン姿の男性が四人、子供たちを引きつれて集まって来た。
〔キ〕「赤うさぎと青うさぎがサッガー経験者でず。赤うさぎばインバイベスドエイド。青うさぎはサンブルーツ広島ユーズ出身で」
〔下〕「ものすごい経歴。お二人ともどうしてうさぎコスプレを」
〔赤〕「学童クラブの制服なんです」
〔青〕「学童クラブの指導員を所定時間こなすと、大学の単位がもらえるんです」
〔仏〕「ほかのお三方もスポーツ経験者で」
〔キ〕「僕ばデニズ、緑うさぎば柔道黒帯、黄うさぎばボクジングでインダーバイに出場じまじだ」
〔桂〕「職業柄優しそうに見せてるけど、身体能力に運動センスはかなりのものだよ」
へえと感心したように五人を見る一同の中で、松尾の目は紅一点のピンクうさぎに向いていた。
〔シ〕「えっ、彼女タイプ」
〔松〕「いいえ、どこかで見たような」
松尾はそれきり彼女から目線を外して、話の輪に加わった。
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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