26‐2 奥座敷オールドベアーズ戦(下)
元U15サッカー日本代表候補に
第二ピリオドに肉体派メンバーをチョイスした
〔仏〕「こんなにポジションぐるぐる変えられても」
〔多〕「ユーリティリープレーヤー育成中なのっ」
〔仏〕「サッカーゲームじゃねえんだよ全く。こちとら生身の人間なの」
いきなり右アラ(MF)にコンバートされた
〔加〕「ゴー様ファイトおーっ」
加奈が
〔仏〕「あの仁王(
仏像が呆れたように加奈を見た。
※※※
〔下〕「女子怖え」
エロカナ軍団にようやく解放された
〔山〕「
〔仏〕「おこめパンの女とどっちが
〔下〕「あいつらです。セクハラっすよあんなの最低っ」
背中から抱きしめられて後頭部の匂いをかがれながらポテトを食べさせられた
〔仏〕「忘れろ。ここで暴れまくって全てを忘れるんだ」
〔下〕「そうしまっす。でもその前に体中丸洗いしたいっす。俺の体と心がすっかり汚された気分っす」
〔山〕「後で俺の家の風呂貸してやるから」
〔下〕「あざまっす!」
下野と山下と一緒に仏像が準備体操をしていると、第二ピリオドに出たかったらしい
〔餌〕「僕の代わりに右アラを守る以上、もしダメだったらカンチョーの刑」
〔仏〕「
〔餌〕「えっ、密教」
小二男子のノリでカンチョーポーズを決めたはずの餌は、仏像の思いもよらぬ反応に面くらった。
〈第二ピリオド〉
〔青〕「さあ『落研ファイブっ』対『奥座敷オールドベアーズ』、双方大幅なメンバーチェンジを経ての第二ピリオドが開始されました。なおこの試合は変則形式、第二ピリオドでの試合終了となっております」
鋭い笛の音と共に、実況担当の
〔大〕「通常ランニングタイム十二分×三本の所が、二本に減っている。つまりは、ペース配分と試合の組み立て方がかなり変わってくる」
〔富〕「ふはっ、ふはーっあひゃひゃひゃ」
ボールを追って突進してきた熊五郎に
※※※
〔熊〕「残り後十分。ボールを集めろ」
ピヴォを務める熊五郎が大音声でがなり立てて、即席フィクソの山下を
山下は熊五郎の
〔多〕「
〔下〕「ロングボールっ」
下野の叫びに呼応した山下は、ピヴォ(FW)の
〔長〕「ヨッシャーっ」
〔青〕「『落研ファイブっ』のゴールっ! 今ピリオドでは右アラ(MF)を務める
〔熊〕「気張っていけえええええっ! 三点獲れば済む事だっ」
有言実行。
熊五郎は芋名人の八五郎との息の合ったパス交換で一分間で二点を取り戻した。
〔青〕「第二ピリオド残り時間は手元の時計で四分を切りました。解説の大神さん、本郷さん。第二ピリオドのわずか二分間で一気に試合が動きました」
〔大〕「『落研ファイブっ』にもまだまだ逆転のチャンスがある。特に『奥座敷オールドベアーズ』の控え二人は安定感が無い。若さと経験不足がもろに出ているね」
〔本〕「『落研ファイブっ』左アラ(MF)の
解説通り、山下が熊五郎とのポジショニングを上手く調整しながら抑えている間に、定位置であるゴレイロにもどった
〔熊〕「絞れっ」
〔下〕「それを待ってた」
深くサイドをえぐった
〔多〕「Bravo!」
〔青〕「残り一分で劇的な同点弾! 『落研ファイブっ』助っ人背番号十一番 |フィクソ(DF)山下の豪快なランニングシュートっ」
〔熊〕「上がれえええっつ!」
残り一分を切った所での同点弾に、熊五郎はメンバーのポジションを上げさせた。
〔青〕「さあ残り十秒となりました。あっとここでっ。何とここで痛恨のPK。『落研ファイブっ』劇的な同点弾を上げた助っ人山下のチャージがPKを取られました」
〔多〕「
試合時間残り十秒を切った所で吹かれた笛に、
〔本〕「今のファールはグラウンドサッカーに
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
※JFAのビーチサッカー競技規則2021/2022を参考にいたしました。
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