23‐2 生霊と人柱
〈火曜日昼食時 一年七組〉
〔餌〕「
〔仏〕「あれ松尾は」
〔下〕「今日は飛島君の所に行ってまっす」
〔餌〕「
〔下〕「誰っすかそれ」
〔餌〕「えっと、横浜マーリンズのジュニアユースにお
〔下〕「ストーカー? お百度参り。あーっ、
〔餌〕「横浜マーリンズを出禁になった『お百度参り』こと『生霊』が
〔下〕「勘弁してくださいよ。俺彼女欲しいっすけど、
基本的に能天気な
〔仏〕「やっぱり反対した方が良いんじゃないか」
〔三〕「付き合う前ならノーカンだろ」
〔餌〕「せっかくシャモさんが自ら喜んで
〔下〕「まさか、とは思いますが。
〔餌〕「もし彼女が今度の練習試合を見学に来るとしたら」
〔下〕「止めてくださいーっ! それだけは、それだけはっ」
〔仏〕「エロカナ軍団呼ぶの止めようぜ。餌、時を巻き戻せよ。それか時空を曲げろって」
〔餌〕「ムリだって。僕とエロカナの力関係を考えてよ」
時を巻き戻せるならとっくに巻き戻してるの、と餌は首を横に振る。
〔下〕「まさか、生霊を
〔餌〕「一応今回のターゲットはシャモさんだから、シャモさんを
〔下〕「シャモさん狙い?! 前回と全然タイプが違うっ!」
〔餌〕「ちなみにマーリンズで被害に遭ったのはどんなタイプの子だった。落研で例えると」
〔下〕「まっつん系っす」
〔仏〕「だからヤバいって言ったじゃねえか。『
仏像が
〔餌〕「松田君は
〔仏〕「シャモと付き合う事になったら
〔餌〕「シャモさんが
〔仏〕「そのために松尾を危険にさらすだと」
上級生たちがいきなりクラスにやってきて言い争いを始めたので、一年七組の生徒達は素知らぬ顔を決め込みつつ耳をそばだてている。
〔餌〕「そこまで言うなら仏像がシャモさんとダブル
〔仏〕「いーやーだ。最初が肝心なの。取り込まれる
〔下〕「そうっすよ。見た目が大人しそうだから最初はころっと
〔餌〕「もう遅いんだよ。シャモさんが超乗り気だし、僕らの知らないうちに接点持っちゃって」
〔下〕「接点ってどんな。
〔餌〕「僕が小学校の時にクラリネットを教わった
〔仏〕「
リアル仁王、あるいは獅子舞のミニチュア版みたいな女だと仏像は補足する。
〔餌〕「【みのちゃんねる】のビーチサッカー回の収録で、エロカナに連れられたお
〔下〕「分かってるじゃないですか。今ならまだ引き返せるっす。シャモさんの友達でしょ。
『みのちゃん』の恋バナとあって一年七組のクラスメートが四人を囲んで立ち聞きをする中、松尾はぎょっとした表情で人だかりを見た。
〔下〕「まっつん逃げて。日曜に絶対絶対
〔松〕「どうしてもその日は行けないから大丈夫だけど。どうしたの」
〔仏〕「シャモの彼女候補、思った以上にヤバいらしい」
〔餌〕「
〔三〕「シャモも乗り気だったんだが。『逆張りのシャモ』×『
〔松〕「マイナス×マイナスはプラスじゃないですか。シャモさんの
ぞっと身震いをした四人に、松尾は意外な事を告げた。
〔餌〕「そ・れ・だ! とりあえず日曜日に実験してみましょうって」
〔仏〕「いーやーだ。それにエロカナは俺狙いなんだろ。絶対ウザいってば」
〔餌〕「
餌の中の藤巻しほりは、
〔下〕「奴は
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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