23-1 お百度参り
〔シ〕「彼女と会う前に髪切ってくる。お前ら
何度も『エンダーイヤー』と叫んだシャモは、みつるに向かって『ごちそうさまでしたあああああっ』と叫ぶと異様なハイテンションのまま味の芝浜を飛び出した。
〔三〕「大丈夫なのかあいつの浮かれっぷり。かなりやばそうな女だよな」
〔餌〕「本名は藤巻しほり。ただし『
〔三〕「何そのギャルゲーか占い師の名前にありそうな
〔餌〕「どうやら自分の事を
餌の言葉に、
〔三〕「生まれ変わりだの何のって時点で怪しさ半端ない上に、よりによって
〔餌〕「シャモさんを
〔三〕「じゃ、シャモにはヤバい話は伏せるの。友達としてどうよそれ」
〔餌〕「それも運命です。焦って彼女作ろうとするからあんな目に」
〔三〕「
〔餌〕「まさにその通り。お
〔三〕「お前の周りには変な女しか来ねえじゃねえか。エロカナにお
〔餌〕「こっちが聞きたいですよ。出来れば関わり合いになりたくないですが、
〔三〕「エロカナの
〔餌〕「その通り。お百度参り事件の時は僕もエロカナの護衛として、学校が違うのに一緒に下校するはめになったんですよ」
〔三〕「餌の彼女疑惑が出たのがそれか」
〔餌〕「エロカナが彼女とか
〔三〕「で、そのお百度参り事件って。丑の刻に
〔餌〕「そんな
餌の言葉に、
〔三〕「その『お百度参り』と言うべきか『六条しをん』と言うべきか。とにかくシャモの彼女候補が『マダム』並みの女って事は、直接相手に突撃するタイプかそれとも金に物を言わせるタイプか」
〔餌〕「気持ちを隠すって事が出来ない人で、振られても振られてもめげずに何度も突撃するんです。仕事とか勉強ならそれで良いとは思いますが、人の心はね。断ってるのに何度も来られると参るじゃないですか」
〔三〕「まさか百回相手に告白したとか」
〔餌〕「横浜マーリンズのジュニアユースの子にガチ恋して、放課後に毎日練習見に行って手紙とかお
〔三〕「お
〔餌〕「お守りじゃなくてお
〔三〕「怖えーっ。無理だってそれ」
〔餌〕「百日通ったところで遂に出禁になって。その子の身辺調査を六条しをん名義で請負サービスに依頼したものの通報されてアカウント凍結。そこからマーリンズの練習場最寄り駅でストーキングを始めまして」
〔三〕「マジかよ。シャモやべえ」
〔餌〕「逆にそういう女があっさり想いを遂げたらどういう反応をするのか、ちょっと興味も出てきました」
〔三〕「あれそれ何年前の話」
〔餌〕「一年ちょっと前ですね。僕が高校に上がる頃だから」
〔三〕「もしかしたら
〔餌〕「まさかとは思うけど、相手が下野君だったらどうしましょう」
〔三〕「下野君って、おこめパンを誕生日に彼女にプレゼントして、『地獄に落ちろ(煉獄でも可)』って言われて振られたんでしょ。違う相手じゃないのか」
〔餌〕「シャモさんに面通しする前に、
〔三〕「あまりにヤバすぎる女だったら引き離すしかあるめえ」
〔餌〕「あの事件で改心してくれてれば良いんですが」
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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