10‐1 腐れ縁
〔青〕「熊五郎さん、編集が出来たら映像は必ずお見せします。YMCAも最高でした」
日帰り合宿が終わる頃にはすっかり
『
〔多〕「今日はどうも有難うございました。本当に助かりました」
〔熊〕「良いって事よ。若いチームと汗をながすのは張り合いになる。またな。気をつけて帰れよ」
【熊ちゃんの店
〔多〕「
助手席に仏像を乗せた
〔仏〕「ピクリとも動きゃしねえ」
〔多〕「後一時間早く出るべきだったか」
〔餌〕「お楽しみの所失礼します
運転席の後ろから
〔多〕「参ったな。とりあえずこの先のガソリンスタンドで降ろすからちょっと待ってて。まさか全員降りるの、
〔仏〕「俺一人で片付け?! 冗談じゃねえ
〔三〕「最近
※※※
〔多〕「車に缶詰にされる位なら、ここらで時間潰して高速が空いてから帰った方がマシ。とりあえず何か腹に入れるか」
〔仏〕「任せるわ」
近くのコンビニで菓子パンと飲み物を一つづつ買うと、二人は海に面した公園へと歩いた。
〔仏〕「彼女と一緒に来るべき場所じゃねえか全く」
カップルだらけのベンチで明らかに場違いな自分たちに、仏像はため息をつく。
〔多〕「せっかくだから夕日に照らされる
〔仏〕「あんたにゴー君って言われると調子狂うんだよ」
〔多〕「ゴー君を初めて見た時は、こんなに小っちゃかったのに。すっかり大きくなっちゃって」
〔仏〕「もっと育っとったわ」
仏像の腰あたりに手をかざして目を細める
〔多〕「それにしてもゴー君のフォロワーになった時には、まさかゴー君が
〔仏〕「そりゃこっちのセリフだっての。『たーちゃん二十五歳@丸の内OL』さんが
〔多〕「俺の変身願望はそっとしておいて。
ベトナム系米国人の妻・リンに、
〔仏〕「何がストレスだよ落研を乗っ取っておいて良く言うわ」
〔多〕「ゴー君怒ってる」
〔仏〕「呆れてる。本当にあんたって自由なオッサンだな。あの頃の借りさえなけりゃ、俺はあんたに付き合う義理は無いんだがね」
〔多〕「ゴー君に一つも貸しなんて作った覚えはないよ。俺は大人として、ゴー君の大ファンとしてやるべき事をやっただけなの。だからゴー君、貸し借りで人を見るのはやめよう。そんな物差しで見られたら、俺さみしいよ」
〈歩き組〉
〔餌〕「絶対歩いて正解でしたよ。何だこの車の列」
〔青〕「
国道沿いをだらだらと歩いていると、
〔三〕「三崎と言えばまぐろだよ。食べて帰らなけりゃ」
〔シ〕「あの店でなくても良いんじゃ」
〔三〕「歩きたくねえんだよ」
〔シ〕「ジジイかよ」
〔餌〕「あーっ、あれか松田君ご愛用のスーパー」
〔飛〕「伝説の『ページヤ』ですね。チョコカスターいちご味はあるかな」
〔餌〕「気になるよね。行こうよ」
〔シ〕「お前らまぐろ食わねえの」
〔餌〕「飛島君と後で合流します。チョコカスターいちご味食べたい人」
〔三〕「食うっ」
〔青〕「食べたいですね。シャモさんも食べるって」
〔餌〕「オッケー。じゃ、行って来ます」
餌と飛島はページヤに向かって駆けだした。
〔三〕「若いって良いなー」
〔シ〕「お前一つしか変わらねえんだよ」
シャモが呆れたようにため息をつくも、
【新商品 江戸前の味覚『
〔三〕「俺のカンは正しかった。ここにする」
〔シ〕「珍しく
『逆張りのシャモ』が良いと言った事に放送部の
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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