兄との再会

第63話 ~イジメ~


「うーん、恋バナとか……?」

「恋バナ?」


 茜は目を潤ませて俯きがちに頬を赤く染めて恥ずかしがる女子高生を演じ出す。


「雪花……まさか私の事、好きなの?」


 そして花も恥じらう乙女を演じる茜。

 そんな茜の姿は、女である雪花でも面食らう程の愛らしさだった。茜のような美少女にそんな言葉を掛けられた日には女子であろうと好きだと即答してしまうくらいに。

 

「可愛い……で、でも、それ恋バナじゃないし。それによく考えると男のあんたと恋バナなんてしたくないわ」

「何だよ、せっかく乗ってやったのに」


 茜はすぐさまポーズを解いて舌打ちをする。

 すると少し思案した雪花はまた何か思いついたのだろう、ぱっと顔を上げて言い放つ。


「そうだ! お洒落なカフェの話とか!?」

「カフェ?」


 茜は少し考えた後、ぱっと表情を明るくする。

 

「ねぇねぇ雪花!」

「なになに!?」


 次はどんな可愛らしい美少女の演技が見れるのかと、雪花は期待感に満ち溢れた表情で身構える。

 茜は体にしなりを作って両手を拳の形に変えて口元に寄せて口を開いた。


「駅前にお洒落なカフェができたからさ、放課後一緒にいこうよ!」


 自分なりの、女子高生であればこうするであろう会話を高い演技力を込めて言い放つ茜。

 かくして、これは雪花には効果抜群だったようだ。女子高生同士の会話はそれだと言わんばかりに目を輝かせた。


「是非御一緒させてください! お姉様!」


 そんな可愛らしい女子高生を演じる茜の手を取る雪花。

 しかしやはり雪花は二面性がある。先日どちらが姉か論争をしていたにもかかわらずお姉様とのたまうのだから。

 そんな目を輝かせる雪花に茜はドライだった。

 茜は握られた手をすぐさま払いのける。そして雪花は期待の重みを支えきれないように、たたらを踏んでよろけてしまった。


「へ?」


 更に茜はポーズを解き、蔑むような冷たい視線を雪花に向ける。


「行くわけないだろ、また太るぞ」

「現実に戻るの早すぎない? それにまたって言った!? いつの話をしてるのよ! めちゃめちゃ可愛かったのに!」


 人の夢は儚く、すぐ冷めてしまうもの。だがもう少し夢を見させてくれと雪花は茜に抗議するが溜息で返された。


「そんなアホみたいな会話やってらんね~」


 茜はそう吐き捨て、すたすたと歩いて行ってしまう。

 自分で振っておきながらこの仕打ち、と雪花は舌打ちを禁じ得ない。しかし、やはり中身が男の女子高生と話が合うはずがないと、雪花は諦めて茜を追う事にした。


「でもあんたみたいな美人とカフェしてたら注目の的かも」

「注目されて何が嬉しいんだよ?」


 茜達のような裏組織のエージェントはよほどのことが無い限り目立つ行動は避けるのが望ましい。

 水面下で秘密裏に行動し、ここぞという場面で少しだけ、姿を現して任務を遂行する。そしてまた姿を眩ませるのだ。それが染みついている為、茜は雪花の事が理解できなかった。


「男が寄ってくるでしょ!」


 その雪花の理由に茜はとても嫌そうな顔。

 茜の中身は男。何が嬉しくて男を引き寄せなければいけないのか、と。当然の反応である。


「寄ってくるのは頭の中ピンク一色のクソうざいナンパ野郎だけだけだぞ?」

「いいのよ! ナンパされるってことに意味があるんだから!」


 茜は雪花の言っている意味が分からない。

 時間を置いて声調低めの「は?」で雪花を威圧したのは分かりたくもないからだろう。


「だ、だってナンパされる、イコール私イケてる! ってなるじゃない! 私は可愛いってなるじゃない!」

「承認欲求の権化かよ……」


 あまりのくだらなさに足を止めて振り返り、遠い目で雪花を見る茜。


「何よ! 私だってイケてるって思われたいの! 可愛いって思われたいのよ!」


 雪花は思っている事を包み隠さず口に出してしまう。茜をハイジャック犯に喜んで引き渡したくらいに。

 醜い胸の内を曝け出し茜の理解を求めるが、一緒にカフェに行って男に声を掛けられたとしてもそれは茜に寄って来ただけであって雪花に寄って来た事にはならない。

 と、茜は口に出そうとしてぐっと堪えた。そんな事を言っても雪花を逆上させるだけで面倒くさくなるだけだと。

 だから茜は効率的に雪花を黙らせる方法を思いついた。


「お前は普通に可愛いと思うけどな」


 可愛いと思われたいのであれば可愛いと言ってやれば丸く収まるのではと。


「ふぁ!?」


 その雪花の反応は少し面白い反応だったが、オルカに比べれば大したことはない。

 茜は努めて冷静に、雪花を見据えた。


「可愛いって言ったんだけど」

「急に何て事言うのよ! そんな事言っていいのは幼馴染のイケメンだけよ!」


 どこかの少女漫画にでも描かれていたのか、雪花はそんな失礼な言葉で茜を牽制する。


「何だよ、純粋無垢な心で言ってやったのに。あとイケメンは全員、絶滅すればいいと思っている」

「嘘言わないでよ! あとイケメンは必要よ!」

「嘘じゃねぇよ。お前は普通に可愛いと思うぞ?」


 茜が改めて可愛いと言ってやると何を思ったのか、雪花は斜め上の反応を見せた。


「美人に言われると貶されているように聞こえるわね」

「面倒くさ……」


 何を言っても雪花の心には響かない。これでは雪花を持ち上げただけで何も得るものはない徒労感しかないだろう。

 褒めてもダメ、貶めてもダメ。であれば茜は無視して歩き出すだけだ。


「じゃあ私にときめくの!? ときめかないでしょ!?」


 その言葉に流石の茜もイラっと来たのか、振り向きざまに強めの口調で答えてやった。


「ときめくわけないだろ」

「くっ……何でよ! ときめきなさいよ!」

「外見はよくても中身がよくない」

「ええ!? いいよ!? 中身! 胸だって大きいし!」


 服の中身を言ってるんじゃないと、頭痛に似た何かを頭を振って払拭する。

 そして苦々しく横目で雪花を見て口を開く。


「長く付き合ってると中身が透けて見えてくるんだよな……私がハイジャック犯に連れていかれそうな時に誰かさんはなんて言ったか」


 茜は雪花に蔑むような視線を向ける。

 茜が連れていかれる時、一度は抵抗してくれた雪花だが、最後にはどうぞどうぞと、ぜひ茜を連れて行ってくれと言い放ったのだ。更に厄介払いのように茜の背中を押して突き飛ばして。あまつさえハイジャック犯にまで人としての道徳心を疑われる始末。


「だ、だって怖かったし」

「お前は外見よりも、そのクズクズしい中身を磨いた方がいい」

「クズクズしい中身……」

「さっさと行くぞ」

「クズ……」


 クズクズしいと揶揄された事を引きずる雪花を引きずってようやく学校につく二人。

 丁度荷物を積んだ大型トラックが二台すれ違って出て行った。それくらいに正門は広い。それでも生徒が出入りするスペースまである。

 敷地は高い壁に囲まれており、一般人であれば登るのはまず無理な高さだ。

 正門を抜けたところには無人バスが停車しており、行先の電光掲示板には内回りと表示されている。

 恐らく敷地が広すぎる為、バスで巡回しているのだろう。事前に渡されたパンフレットによると敷地は大体横三キロメートル、奥行きは五キロにまで及ぶようだ。

 茜達はひとまず職員室に行き挨拶してから学校を見て回る事になった。


「基本的に授業は全部動画を見て、小テストをやって終了って感じね」


 と、雪花が説明してくれる。

 学校にいなくても全て受講できてしまう仕組みのようだ。

 だから時間や場所の制約があまりなく、家や旅行先、雪花のように海外で働きながら好きな時間に学習できるのだ。学校に来るのは実技のある学習のみである。

 更に自分達が将来してみたい職業を選んで実際に働いてみる体験学習もあるとのこと。


「だからクラスとかは無くて各々自分で動画みて学習する感じね。集中すれば一週間くらいで一科目全行程終わるわ。後は自分のしたい事をするって感じね」

「へぇ~、家で全部事足りるなら楽でいいな」


 茜はその学校の様子を一通り見学して回る事にした。

 ただ学校の面積が広く、一日で回り切れるかどうか怪しい。


「ここは自主学習ね。家よりも学校の方が身が入るって人がここにくるわ」


 だだっ広いスペースに机が等間隔に並べられた部屋。そこには多くの生徒達がひしめき合っている。


「家で出来るのに結構いるな」

「家は親がいるからやりにくいとか、友達と会う為とか、色々よ」


 端末を見て勉強する者、グループでだべっている者、ゲームをしている者、様々だ。

 更に少し歩くと前に教師が立ち、生徒が質問している教室があった。


「動画で分からない箇所があったらチャットで質問を投げるんだけど、タイムラグがあるでしょ? それを嫌がる人は直接聞きに着たり、同じ質問が多ければここで直接答えたり、後はディスカッション形式で生徒の疑問に答えたり」

「へぇ」

「因みにこの講義も録画されて公開されるわ」

「色々考えてるねぇ」


 そして絵を描いている教室。


「ここは芸術系の棟ね。プロに施設を安く貸し出す代わりに生徒に教えてあげるんだって」

「ウィンウィンの関係か」

「そう。うまくいけば生徒にも給料でるしすぐプロになる人もいるらしいよ」

「金も出るなんて最高かよ」


 他にも機械工学や電子工学、プログラミング、化学等、幅広い科目が元プロや教師たちによって指導されていた。

 そして肝はやはり生徒達の表情も生き生きとしている、ということだろう。自分で選んでやって着た科目なのだから冴えない顔をしている生徒なんていないのだ。

 そんな生き生きとした生徒達の表情に感化されたのか、茜も心なしか表情が緩んでいる。


「でも昔ながらのクラスみたいなのがないから寂しいよね」


 雪花と剣と茜は昔同じクラスだった。だから良く話すし友達にもなれた。

 それがクラスが別れてしまうと会う回数も少なくなり、喋る回数も激減してしまう事もままある。その寂しさがあるのだろう。

 だが茜の見解は違っていた。


「そうかな」

「へ? クラス無くなったら寂しくない?」


 狭い空間故に仲の良い友達と更に仲よくなるし、新しい友達が出来る事もある。

 しかしいい事ばかりではない。


「壁のある小さな世界で周りに合わせて生きていくより、いろんな生き方ができる分こっちの方が楽しそうだけどな」

「まあ確かに……話が合う者同士で付き合えるもんね」

「嫌な奴と顔を合わせなくて済むし」


 狭い空間にはデメリットもある。

 それは茜の言うように反りの合わない生徒とも毎日顔を合わせなければいけないという事だ。


「あんたちょっかい出してきた人全員ぶちのめしてたじゃない」


 茜は母子家庭で育った為、よくちょっかいをかけられていた。

 だが全員返り討ちにしていたようだ。

 

「あれが無くなるなら楽でいいな」

「イジメとかは無くなりそうよね」

「どうかな」

「え? ここでもイジメがあるってこと?」

「人間である以上、小さな空間でも大きな空間でも争いは起きる。戦争も然りだ」


 茜は世界を股にかけ、暗躍していた。紛争地帯での任務も一度や二度ではない。

 そこで茜は多種多様な人間を見てきているだろう。


「人間……深いわね」


 その時、前方で何やら人だかりが見えた。


「なんか人が集まって……ん? 誰か叫んでる」

「え?」


 茜達はその人だかりに近寄っていく。すると誰かの叫び声はとある女子生徒の怒声だった。


「てめぇ! 聞いてんのか!?」


 品のかけらもないそんな言葉が初めて茜の耳に入ってくる。

 不穏な雰囲気に、茜達は人だかりを抜けて近くまで行ってみると廊下の角を取り囲むように数人の女子生徒が。

 そして角には黒髪の女子生徒が追い込まれてうずくまっている。

 

「なあ、何でがっこ来てんの? 目障りだからくんなっつったよね」

 

 うずくまる黒髪の女子生徒を問い詰めているのは金髪の女子生徒だ。

 

「そうだけど、でも実技があって……」


 授業はほぼ動画で受講できるが実技となれば話は別だ。学校へ来て直接指導を受けなければならない。


「ああ!? あーしはくんなっつったのよ。言葉も理解できねーのかよっ」


 黒髪の女子生徒の弁明虚しく、金髪の女子生徒は声を張り上げて怒鳴り散らす。

 金髪もそうだがピアスや指輪といった装飾品を身に着けた一見すると派手な女子生徒だ。メイクもばっちりでどちらかといえば美人な方だろう。

 その金髪の女子生徒がうずくまる黒髪の女子生徒の胸倉を掴んで無理やり立ち上がらせた。


「ひぃ」


 金髪の女子生徒の怒声に黒髪の女子生徒は小さな悲鳴を上げる。

 これだけ多くの生徒に囲まれながらその暴挙は留まる事を知らない。


「あははっ、ひぃだって」

「うけるっ」

「言葉が分からないなら小学生からやり直した方がいいんじゃね?」


 金髪の女子生徒の取り巻きだろう、怒鳴り声に合わせて相槌を打つように黒髪の女子生徒に罵声を浴びせる。

 だが黒髪の女子生徒も負けてはいない。目に涙を浮かべながら言い返す。


「でも……」

「何? あーしに口答えすんの?」

「でもじゃないよね? ジュリナが来んなつってんじゃんよ」

「帰りなよ? なぁ?」


 ジュリナと呼ばれる金髪の女子生徒を筆頭に、取り巻きと一緒になって黒髪の女子生徒を角に追いやっているようだ。

 そして激しい口調で黒髪の女子生徒を恫喝している。

 茜が言うように人間は何処でも争いたがる生き物なのだろう。


「おい、見せもんじゃねぇぞ!」


 廊下の交通整理をしているであろう取り巻きが厚くなり過ぎた人だかりを散らせている。

 いかつい体系をしているが筋肉質ではない。腹がたるんでいる。体育会系ではないだろう。


「女って怖えーな」


 言葉遣いも女子とは思えない程、粗悪な口調。

 茜は実直に感想を述べると「女子が皆あーだとは思わないでよね」と雪花に反論された。


「全く……教師はどうした?」


 こういったイジメを止めるのは教師の役目だろうと、茜は周りを見渡した。

 これだけの騒ぎで誰も来ないのだから近くには居ないのだろう。そう思っていたのだが数人、制服を着ていない大人がちらほらと見受けられる。だが誰も止めに来る気配がない。


「何だ? どうして――」


 教師が止めに入らないのか、と茜が口を開こうとしたその時だった。

 先に雪花が何かに気づいたように声を上げる。


「あっ、あの金髪の人っ」

「ん? 知り合いか? じゃあさっさと止めて来いよ」

「違うわよ! あの金髪のジュリナって人、四年位前に転校してきた生徒よ。今はこの学校をシメてるっていう、スケ番の人!」

「スケスケ? 何処が透けてんの?」


 ジュリナの服装の透けている所を探す茜。探したところで立つ物が無いのだから感じるものもないのだが。


「女の番長ってことよ! あ」


 雪花の目を追うとジュリナがナイフを出して黒髪の女子生徒に向けるところだった。

 黒髪の女子生徒は声にならない悲鳴を上げ、うずくまろうとするがジュリナに胸倉を掴まれて強引に引き上げられてしまう。


「あはは、何それ、全然声出てないし。まあ声出しても誰も助けてくれないけど」

「ジュリナの親、何してるか知ってるよね」

「ここにあんたの居場所ねぇから」


 複数人で一人を角に追いやる事も頂けないがナイフまで出すとはあまりにも物騒だ。

 だがジュリナの言うように誰も助けに行きはしない。野次馬のように周りをかこっている生徒も、教師でさえも。


「確か親がヤクザかなんかでこの学校の土地の持ち主とかだったような。だから退学とかの権限持ってて教師呼んでもまともに対応できないのよ。以前呼んだ人も呼ばれた先生ももうこの学校にいないとか」

「成程、だから公衆の面前で堂々とこんなクズみたいな事できるのか」


 ヤクザのような暴力で物事を解決する勢力に権力を握られればジュリナのようにやりたい放題だろう。

 そして目の前で行われている蛮行をクズ呼ばわりする茜。全くその通りなのだが、そんな茜の胸中を察して雪花が牽制する。


「くれぐれも先生を呼ぶとか、やめろ、とか叫ばないようにね。誰かに迷惑掛かっちゃうし自分の身も危なくなるわよ? しかも相手は女……あんたみたいな美人が事を荒立てると台風みたいに……って、あら? 茜?」


 釘を刺そうとする雪花だが、茜はもうそこにはいなかった。


「怯えてるとこ悪いけど、がっこ来たら切るつったよね?」

「お、有言実行?」

「流石ジュリナ、やっちゃえ」


 ナイフを出したのに取り巻きは止めもしない。

 かなりの教育をされているか、それともジュリナが単に怖いからか。だが取り巻きの表情からは恐怖の色が一切ない。単純に楽しんでいるように見える。

 つまりここでどんなに危険な事をしても自分達が不利になる事はないと確信しているという事だ。つまりジュリナの後ろにいるヤクザが全てを握っている。


「で、で、でも……学校に来ないと……実技が――」

「だから……もう鬱陶しいから喋んじゃねえっ!」


 その時、乾いた破裂音。

 続いて野次馬達の小さな悲鳴。

 同時に聞こえてきたのは黒髪の女子生徒が壁に打ち付けられたのだろう、鈍い音が響く。

 黒髪の女子生徒はジュリナに頬を叩かれて髪が跳ね上がり、壁に背を打ち付け、そのままずるずるとずり落ちていく。

 

「うぅ……」

 

 しかしその女子生徒の胸倉を掴んでまたしても強引に引き起こすジュリナ。

 そしてナイフの切先を黒髪の女子生徒に向けた。


「ご、ごめんなさい! もう帰ります! 帰るので……止めて下さい……」


 さすがに黒髪の女子生徒も身の危険を感じたのだろう。慌てて涙声で懇願するがジュリナはそれを笑い飛ばす。

 そして片唇を釣り上げて、ナイフの切先をゆっくり近づけていく。

 その表情はまさに醜悪な悪魔そのものだった。


「もう遅いっつーの」

「バーカ」

「ねぇ、胸元切って開いたらスケベな男が助けに来るかもよ?」

「それいいね!」

「しゃーねーなー、じゃあそれで決定な」


 ジュリナが掴んでいる黒髪の女子生徒のブラウスにナイフの刃先を突き付ける刹那、誰かがその手首を掴む。


「そこまでだ、クソ女」


 それは教師でも男でもない。ましてや屈強な体格をした正義の味方でもない。

 それとは対極に位置する、見た目はか弱い少女。だが見目麗しい少女、茜だった。


「あぁ?」


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