ずっと隣で:隣人のボクっ娘幼馴染は素直で無防備で密かに重ためかもしれない~真夏の長旅から帰ってきた「キミ」を「ボク」は癒したい(タオル拭き・マッサージ・肩叩き・煤竹耳かき・手作り綿棒)~

錘ちょいす

Track01.お帰りなさい、親愛なる隣人にして幼馴染くん(タオル拭き)


//SE ドアの開閉音と共に、蝉の声が聞こえ始める

//SE ほんの数瞬だけ硬い靴音が響くが、じきに収まる。すぐにインターホンの音が鳴る


「はーい」//ドア越しのくぐもった返事。やや低めのハスキーボイス、落ち着いた印象


//SE 近づいてくる足音がドア越しにくぐもって聞こえてきて、すぐにドアが開く


「やあやあ、親愛なる隣人にして幼馴染くん。二週間ぶりだね」//久しぶりに会えて嬉しい、跳ねた調子の声

「こんなに顔を合わさなかったのは何時いつぶりかな?」

「帰省の予定がズレてしまって、行き違いみたいになってしまったから」


//SE ドアが微かに軋む音


「とにかく、お帰りなさい。どうぞいらっしゃい」//少し落ち着いてきた。気安くて穏やかな様子で


//SE ドアが閉まる音、蝉の声は止んでクーラーの稼働音が少しだけフェードインする


「外、そんなに暑かったんだ。汗だくになってる。そのままじゃ気持ち悪くないかい?」//気さくな調子で

「先にいつもの場所に座ってて。タオル濡らして絞ってしてくるから」


//SE スリッパの音と手洗い場のドアの開閉音、ドア越しに水道音が聞こえてくる


//SE 靴を脱ぐ音。部屋まで数歩移動して、引き戸の開閉音。クーラーの弱い風音の輪郭がはっきりする


//SE フローリングに敷かれたラグにより足音が柔らかくなる、座椅子に座る音、背もたれが僅かに軋む


//SE すぐにスリッパの音が聞こえてくる。冷蔵庫の開閉音が聞こえた後で、引き戸の開閉音


「お待たせ。これを置いて……っと」//付近(ローテーブルの斜向はすむかい)まで近づきながら


//SE スリッパを脱いで、ラグの上を歩いてくる。近くのローテーブルに氷入り麦茶のガラス製ピッチャーとマグカップ二つを置く音


「ほーら、目を閉じて、頭貸して」//正面まで近づきながら

「お顔も髪も全部すっきり拭いてあげよう」


//SE (継続開始)タオルで拭く音、最初は髪の毛をごしごし


「わっしゃわっしゃ……ごしごし……わしゃしゃー……」//顔の目前まで接近した状態で、呟くように


「帰省の長旅、本当にお疲れさま。キミの実家……ボクたちの地元って、ここからだと結構遠いよね」

「それに今日は凄まじく暑かったでしょ。クーラー付いてるから涼んじゃって」


//SE 顔の正面、すぐ近くでの衣擦れ音


「……ん? 近い? ボクは気にしないけど」

「キミになら、少しぐらい見られてしまってもボクは大丈夫だよ」//焦ったりせず、柔和に

「安心して、誰にでもこんなに無防備な訳じゃないから」


「さて、お顔も拭いていこうか」


//SE タオルで拭う音が顔に移る


「キミの顔も綺麗にしないと……」//距離感は近いままで

「痛かったりしたら、教えてね。出来るだけ優しくするけど」

「というか……やっぱり汗すごいね。乗りっぱなしで疲れた所で炎天下を歩いてたら、しょうがないけれど」

「とりあえず、ボクの部屋でゆっくり休んで」


「お耳の裏とかも、ちゃんと拭いてあげてっと」//左右から覗き込む距離感で


//SE さらに耳付近に移る


「ごしごしー……」//耳元で囁くように

「この辺りも、痒くなりがちだからしっかり拭いて……」

「……えっと、そんなに心配しなくてもいいと、ボクは思うかな」//少しだけ焦った調子で

「少なくとも、ボクにとっては、嫌いな匂いじゃないよ」


「首筋も、と……」//首辺りまで潜り込んだ距離感で


//SE さらに首筋に移る


「よいしょ、ごし……ごしっと」

「ごめん、ちょっと上の方を向いて貰ってもいいかな?」


//SE 僅かに体勢を変える音


「ありがとう。顎の下も拭いちゃうから。んっ……」

「ふふっ、こんな角度でキミの顔を見る機会なんて中々ないから、お得感があるかも」//言葉通り、お得感があって嬉しい


「鎖骨の辺りまで……こんな所かな」


//SE (継続終了)タオルで拭く音


「最後に髪を軽く直そうか。手櫛で失礼するよー?」//正面に戻りながら


//SE 髪を軽く手で梳く音


「ちょっと新鮮な感触かも。……うん、カッコいい」//やっぱり、お得感があって嬉しい

「微妙に濡れてしまったままだけど……その方が涼しいなら、いいか」


//SE タオルを付近のローテーブルに置く


「どうかな、少しはすっきりした? ……これぐらいで生き返ったみたいな顔するんだ。そのぐらいキツかった?」//会話相手の距離感ぐらいに、少しだけ遠ざかる

「まあ、キャリーバッグをころころ引きずって駅からここまで歩いたなら、そうなってもしょうがないか」


「いいよ、気にしないで。もともとボクの方から電話したんだからさ、荷解きとかはこっちで涼んでからにしたらって」

「荷物置いてからすぐ来てくれたから、水分補給も出来てないはず……ということで、お茶も持ってきたよ」


//SE ピッチャーからグラスに麦茶を注ぐ音(二回)。ほんの僅かに溶けた氷が数個、一緒にグラスへ入っていく


「はい、粗茶……というか麦茶です。でもほら、ちゃんと氷も入ってるよ?」


//SE 氷入り麦茶のグラスを軽く振る音


「ボクもついでに、いただきます。ちょうど喉が乾いてたからさ」//茶目っけを出しつつ

「お代わりもあるし、遠慮はしなくていいよ、どうぞ」



「んっ……んくっ……んく……っふぅ。」//飲むペースは普通だけど、一気飲み



「あは、そっちもいい飲みっぷりだね」

「キミも暑くて干からびちゃった? さっきも蝉がすごく元気そうだったけど」


「ボクは天気予報の最高気温を見て、今日はもう無理だって引きこもってたよ」//少々気だるげに

「しっかり真夏日だと言ってたから、少なくとも昼間は無理だろって」


「……んー……」//心配そうに表情をうかがう


「道中は疲れただろうけど、実家ではゆっくり出来た?」//本格的に気遣い始める

「そっか、それは大変だったね。法事が集中してると来てくれる親戚の方も多くなりがちで、気が休まらないよね」


「だからかな……ちょっとごめん、お顔触るから目を閉じてもらっていい?」


//SE 微かな衣擦れと共に、膝立ちで近づいてくる音


「ちょっとおでこ周り……こめかみとかを軽くマッサージするよ」//顔の目前まで接近した状態で、呟くように



「くりくり……」//SE おでこ・こめかみ周りのマッサージ音(弱め)



「もうちょっとだけ強くするね?」



「ぐりぐり……」//SE おでこ・こめかみ周りのマッサージ音(少しだけ強め)



「気付いてた? 今日はなんかずっと、眉間にシワが寄りっぱなしだったよ?」



「肩や首も……っと」//SE 肩・首周りを軽くマッサージする音



「やっぱり、結構ガチガチに固くなってる」//距離感を戻す。改めて心配そうに


「よし。お疲れさまでしたってことで、マッサージをしようか」

「そのまま座っててね」

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