おまけ そのろく! あかねのにちじょー!

「おはよ、茜」

「おはよー! おねーちゃんだいすきー!」

「わっ、とと。ふふ。茜また力強くなったね」

「えへー!」


 おねーちゃんはぎゅー! ってしたらすっごいいいにおいがするの!


 あとねあとね! さいきんはときどき、おにーちゃんからもおねーちゃんのにおいがするのー!

 いっしょにおふろにはいってるのかなー? ぼくもはいりたい!


「しおんもおはよー!」

「おはよー」


 むにゃむにゃするしおんもかわいー!


「ゆずー? おきないとー!」

「すやぁ」

「ちゅーするよー? いーのー?」

「すやすや」

「えへー! ちゅー!」


 ちゅーするのすき! すき! ってきもちがいっぱいつたえられるの!


「じゃあ今からご飯作るから――」


 ぴんぽーん!


「とーやにぃ!」

「おにーちゃん!」

「きたー?」

「ふふ。迎えに行ってごらん」

「はーい!」


 しおんもゆずもめーさめた!


 みんなでげんかんにはしる!


 しおんがとびらあけた!


「おはよー! おにーちゃん!」

「とーやにぃ! おはよー!」

「おはよーー!」


 とーやにぃだ!


 みんなでとーやにぃをぎゅーってする!

 とーやにぃのにおいすきー!

 おねーちゃんのにおいするとーやにぃもすきだけど、とーやにぃのにおいするとーやにぃもすきー!


「ああ、おはよう。紫苑、茜、柚」

「えへー!」

「えへへー!」

「えへへへー!」


 とーやにぃにあたまなでられるとね! こころがぽかぽかするの!

 おかーさんとおねーちゃんにされるのとおなじ!


「お、茜。力強くなったか?」

「おねーちゃんにもいわれた!」


 ちからいっぱい! とーやにぃをぎゅー!


「おっきくなったらとーやにぃもだっこしたげるからね!」

「ふふ。お兄ちゃんは重いぞ?」

「だっこできるもん! だっこして、とーやにぃにいっぱい褒めてもらうもん!」

「じゃあ楽しみにしてようかな」

「うん!」


 たのしみ!

 おねーちゃんとおなじこーこーせー!

 うーん。

 ちゅーがくせーになったらするもん!


 ◆◆◆


「すごーい!」

「またあかねちゃんいちーだー!」


「えっへん!」

「あかねすごかったねー!」


 きょーもかけっこでいちばんだった!


「えらいえらい」

「えへー!」


 しおんとゆずにあたまなでられるのもすき!

 ぎゅーってするのもすき!


「わたしもあかねみたいにはやくはしりたいなー!」

「かんたんだよ! びゅーんってすればいーんだよ!」

「むずかしー!」


 むずかしー?

 むずかしーんだ?


「ふふ。茜ちゃんはすっごく運動神経が良いんだね」

「うんどーしんけー?」

「動くのが得意って事だよ」

「……! ぼくうんどーしんけーいーんだ!」

「うんうん。将来はスポーツ選手になれるかもね」


 すぽーつせんしゅ……! かっこいー!


「すぽーつせんしゅ、なったらとーやにぃほめてくれるかなー?」

「うん! すっごく褒めて、喜んでくれると思うよ!」

「じゃーなる!」


 すぽーつせんしゅ!


「あかねはどのすぽーつやるのー?」

「えっとねー! うんとねー! さっかー? ばすけ? かけっこ?」

「ふふ。じゃあ今日は色々試してみよっか」

「ためすー!」


 きょーはいっぱいうんどーするぞー! おー!


 ◆◆◆


「でねー! それで、さっかーとかばすけしたんだ!」

「楽しかったか?」

「うん! 楽しかった!」


 とーやにぃにあたまなでられるのだいすき!


「とーやにぃはぼくがすぽーつせんしゅなったらうれしー?」

「……ああ、嬉しいよ」

「じゃーなる!」

「でも、どうせなら茜が一番好きな事してくれたら嬉しいかな」


 ?


「ぼくのすきなことー?」

「ああ。茜が好きな事」

「えっとねー! おねーちゃんと、おかーさんと、しおんとゆずがすきー! もちろんとーやにぃも!」

「ああ。そうだな。……そんな感じで、将来は好きな事をして生きて欲しいな。将来の夢って言った方が伝わるかな?」


 !


 しょーらいのゆめ!


「とーやにぃのおよめさん!」

「……そう来たか」

「なるもん! おねーちゃんとしおんとゆず! ぼくもとーやにぃのおよめさんなる!」

「茜。日本だとお嫁さんは一人しかなれないんだよ」

「やだ! みんなでけっこんしきあげる!」


 うぇでぃんぐどれす! みんなできるのー! みんなでくらすのー!


「それでねそれでね、みんなでとーやにぃにちゅーするの!」

「……ふふ」


 とーやにぃがわらってた! むー!


「するもん! じゃーみんなでけっこんできるくにいくもん!」

「……そう来たか。頭良いんだな、茜は」

「えへー! すごいでしょー!」


 なでなで! すきー!


「でも、きっとあと十年もしたら茜達にも好きな人が出来るよ」

「むー……とーやにぃよりかっこいーの?」

「ああ。俺よりずっとかっこいい人」

「いないもん!」


 とーやにぃがいちばんかっこいーんだもん。


「ふふ、そーだね。とーやが一番かっこいーもんね」

「おねーちゃん!」

「み、ミア……?」


 おねーちゃんがきた!

 ぎゅー!


「や、でも実際この子達のハードルめちゃくちゃ上がってそーだよね」

「……三人のかっこいいお兄ちゃんで居たいからな」

「私も一緒だよ。三人の一番かっこいいって思うお姉ちゃんで居たい」


 おねーちゃんがじーってみてきた!

 ちゅーしてくれた! うれしー!


「ま、三人の事だから凄い人連れてきそうだけど。まだまだ小さいんだし、心変わりするよ。きっと」

「……それもそうか」

「むー? けっこんするもん!」


 おねーちゃんのゆびがつん! って! おでこがつつかれた!

 おねーちゃんがめずらしーかおしてた! まじめ!


「茜達でも、とーやは簡単には渡すつもりはないけどね」

「むー! とーやにぃのこといっぱいゆーわく? するもん!」

「ふふ。らしいよ?」

「し、将来が少し怖くなってきたな」


 おねーちゃんをぎゅー! ってしたらぎゅー! ってしてくれた!

 もーえがおになってた! えへ!


「ま、今はそれでね。おっきくなったらまた好きな人が出来るはずだよ、きっと」

「そーかなー?」


 すきなひとー。とーやにぃいがいにできるのかなー? 


 とーやにぃよりかっこいーひとなんているのかなー?


 ◆◆◆


「おとまり! わーい!」


 きょーはとーやにぃもおとまりしてくれる!


「うれしーねー! あかね!」

「うん! うれしー!」

「わたしもうれしー!」

「ねー! ゆず!」


 みんなでぎゅー! ってする! そーしたら、うれしーのがもっともーっとおっきくなる!


 しおんとゆずをみる!

 ふたりはきょーはとーやにぃとぎゅーってしてねむるみたい!

 じゃーぼくはおねーちゃん!


「妹達がもう可愛すぎてどうにかなった」

「過去形」

「こんなんどうにかならない方がおかしいって」

「めちゃくちゃ分かるけども」


 かわいいってことばすき! うれしくなる!


「ぼくかわいー?」

「可愛すぎて神様に取られちゃいそうで怖いくらい可愛い」

「えへー!」

「取られないようにぎゅーってするね」

「わーい!」


 ぎゅー!



「電気消しておくぞ」

「ありがと、とーや」

「ありがとー!」

「ありがとーねー!」

「すや……がとー」


 ゆずはもーねむいみたい!


 とーやにぃがごろごろしたらぎゅーってして、すぐにねちゃった! くらくてもわかるもん!


「ふふ。おやすみ、柚」

「おやすみ、柚」

「すー……みー……」


 ゆずはすごい! ねながらおはなしできる!


 ぼくもねながらおはなしできたらなー! もっととーやにぃとおねーちゃんとおかーさんとおはなしできるのに!


「ゆずもあかねもおやすみー! おにーちゃんとおねーちゃんもおやすみー!」

「おやすみー! しおん、ゆず、とーやにぃ、おねーちゃん!」

「ああ、おやすみ」

「おやすみ、紫苑、茜」


 おやすみのじかん!


 おねーちゃんにぎゅー!


 ぎゅーってしたらどんどんねむくなるの!



 ?


 ねむくなるの!


 ?


 ねむく?


 ねむくならない! 

 なんで!


「……茜。寝た?」

「す、すー、すー」


 ねてなきゃ!

 あれ? でもおきててもいーのかな? おこられないよね?


「ね、茜」

「なあに?」

「あ、やっぱり起きてた」

「えへー」


 ばれたー!


「茜」

「なあに?」

「さっきはごめんね」


 ?


「さっき?」

「うん、さっき。茜に意地悪しちゃった時」

「いじわるー?」


 おねーちゃんがいじわるー? んー?


「あー。お姉ちゃんがちょっと怖い顔しちゃったの」

「あ!」


 おもいだした! おねーちゃんがいつもとちがうおかおしてた! つんってしたとき!


「んー? いじわるー? いじわるしてたの?」

「あー。意地悪、かもしれない」

「そーだったんだ!」

「だからごめんね。……お兄ちゃんが茜達に取られるって思ったら、意地悪しちゃってた」


 そっか!


「ぼくもゆずがあそんでたらもやもやーってする!」

「……!」

「いっしょだね!」

「…………そうだね」


 あれー? あんまりうれしそーじゃないー?


「んむー? おねーちゃん」

「なあに?」

「ぼくはとーやにぃ、とったりしないよー?」

「……!」


 おねーちゃんもとーやにぃもすきなんだもん!


「もー、茜はお姉ちゃんより大人さんだなー?」

「えへへ」

「大好きだよ、茜」

「ぼくもだいすきー!」


 ぎゅー! にこー!


「今色々考えてもあれだからね。未来は分かんないし。その時はその時のお姉ちゃんに考えて貰おっかな」

「んー? んー!」

「ふふ。大丈夫だよ。茜はなーんにも心配しなくて良いから」


 おねーちゃんにあたまなでられるとぽかぽかする!


「おねーちゃん」

「んー?」

「ぼくもね、しおんもゆずもね。とーやにぃのこと、だいすきだけど、みんなおねーちゃんもすっごくいっぱいだいすきだからね!」


 おねーちゃんはもっとつよくぎゅー! ってしてくれた!


 えへー!


「ん。分かってるよ。お姉ちゃんも大好きだよ。すっごく、いっぱい、ね」

「うん!」


 ぎゅー! ってしてたら、どんどんねむくなってきた!


「ん、ありがとーね。……ありがと、ほんと。三人が妹で良かった」

「ぼくもおねーちゃんでよかった!」

「おやすみ、茜。いい夢見てね」

「んむ……おねーちゃんも。おやすみー」


 ぎゅー。


 またあしたねー。あしたもいっぱいあそぶもん!

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