故ノ屍・死神

 そして、自分に霊感があると自覚する前の私はずっと死神の存在を【イマジナリーフレンド】と思っていた。友達のいない私が作り出した、空想の存在だと……


 でも、闇夜さんに会った頃から霊感がより強くなり霊視を出来るまでになると死神が実在するのだとわかったんだ。最初、その事を死神に言うと


「酷いですね。ずっとそばに居たのに、私を存在しないものと思っていたんですが ? 」


 っと口をとがらせて拗ねていた。その時の姿は、五歳くらいの少女だったよ。

 それが、2~3年前の話で私は色々気になっていたけど聞けなかったことを思い切って全部聞いてみたんだ。


「ねぇ、ずっと聞きたかったんだけど。なんで私は死ぬはずだったのに、生きてたの ? 」

「名が変わったからです。本来あなたは【ヒトミ】……つまりは、人身御供だったので」

「そうなの ? 」

「ええ。世の全ての【ヒトミ】さんがそうと言う訳ではないですが、あなたを連れ戻したかったうえの方々が語呂合わせでそう付けたんです」

「こわ……」

「あと、あなた。寿命、ないんですよ」

「……は ? 」


 死神いわく、普通は人間1人1人の頭の上などに寿命は視えるらしい。某死神ノートの漫画の様に……でも、私にはそれがないのだそう。


「それって、「本当の肉体じゃない」って言葉と関係してる ? 」

「覚えてましたか……」

「変なとこで記憶力良いんだよね」

「暗記問題間違えて赤点取っていたのに……」

「それは今関係ない」


 「本当の肉体じゃない」っと言う言葉の意味は直接教えられないとその時は言われた。なので代わりに気になっていた別の事を聞く事に。


「【ハグレ】ってどう言う意味 ? 」

「ああ、それはですね。まず、我々死神について話す事になるんですが……少々長くつまらない話ですよ ? 」

「つまるか、つまらないかは私が決める。教えて」

「あなたらしい……死神と言うのはまず、職業名です。生まれつき死神の者も居れば、人としての生を終えうえに来てから死神になる方も居ます。


 とは言え、会社などとは違い命令されて動くのではないです。大雑把に区画が割り振られ、最低限の掟を破らなければあとは自由にやって良いんですよ」

「最低限の掟 ? 」

「1,人の生死に直接かかわってはならない。

我々の仕事はあくまで、死んだ魂を回収・導く事ですので。

 2,他の死神と争ってはならない。

死神を殺せるのは、死神だけなのでこう言う掟があります。

 3,死期が近いことを人に教えてはならない。

自殺防止の為ですね。自殺した魂は、本来の寿命が来るまで如何なる場合も成仏できませんから……。

 4,自分の担当区域だとしても死を萬栄させてはならない。

死神には、ある秘術が伝わりそれを使えば国一つは簡単に滅ぼせます。でも、神界戦争以外での使用は固く禁止されているんです。


まぁ、こんな感じです」

「……死神だから、4つの掟 ? 」

「笑えないですよ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る