第2話 第2話 地上最凶最悪との戦いはここに完結する
ドォン!
ドォン!!
ドォン!!!
ドォン!!!!
腹に響く重低音が連続し、吐き出された魔法弾が
古代遺跡で発掘した
撃ち放った四発には、巨大な魔物でも刹那的に動きを止める
ドォン!
動きを止めた奴の眉間を狙って次弾を発射した。
パァン!
瞬時に展開された相手の魔力による障壁に弾かれるが、その瞬間に甲高い破裂音が鳴り響き、同時に閃光が迸った。
今度は、相手の視界と聴力を一時的に奪う
ガァァァァァ!?
動きを封じられ、視界と聴覚を奪われたドライアスが咆哮をあげる。
ドライアスの口内が光り、口からブレスが放たれる。
だが、先ほどの
ブレスが地を割る前に腹の下をくぐった俺は、双剣を後ろ足の付け根にそれぞれ突き刺し、そこからすぐに離脱した。
双剣の柄頭から伸びたワイヤーを媒介にして魔力を走らせる。魔力が体内に突き刺さった剣先まで至ったタイミングで術式を展開。
「
ズドォーン!
耳をつんざく爆音が鳴り響く。
グアァァァァァー!
ドライアスの両足が付け根から吹き飛び、一瞬浮き上がった腹部が地面に叩きつけられる。
両手首につながったワイヤーを解除した俺は、跳躍して奴の背中に飛び乗った。
鱗の隙間に再び顕現させた極際の剣を差し込み離脱。先ほどと同様に、すぐにワイヤーを通じて魔力を注ぎ込む。
再び術式展開させた
グォォァァァァァ!?
想定外の攻撃とダメージに暴れ回る相手から距離を置き、再び
「終わったぞ、ディゴエル。」
俺の目の前には、地竜ドライアスの凄惨な屍があった。
あれから12年。随分と時間がかかってしまったが、ようやく目的を果たすことができたのだ。
ドライアスは三国の国境にまたがる休火山地帯を根城とする気性の荒い竜種だ。200年に一度の割合で地上を徘徊し、多くの町や村を壊滅させる生きた死神と呼ばれている。史実や古い文献を参考とすると、残り三年ほどでその大厄災は訪れるとされていた。
冒険者ギルドに名を連ねる者にとって、ドライアスは最凶最悪のモンスターである。
厄災の年ともなれば、この地域に隣接する国の軍や騎士、そして冒険者ギルドに名を連ねる者たちは各国の王命の下に招集されてドライアスと戦う責務を負う。中には、今の時期から遠く離れた国へと逃亡する者すらいるくらいだ。
しかし、その大厄災の心配は去った。
12年前に俺がクビになったパーティーが挑戦して討伐に失敗した。メンバーは全滅し、ほとんどが即死だったと聞いている。
随分と時間がかかったが、ようやく彼らの仇を討つことができたのだ。
今回のドライアスへの挑戦は
犠牲者を出さないための配慮ではない。
共に戦う者たちが邪魔だったからだ。
今の俺はかつての仲間たちの失敗を分析し、入念な下準備をしてきた。
その戦略は他の者が入り込む余地のないものだ。考えられる限りの魔道具を収集し、ドライアスの数少ない弱点を踏まえて出した必勝法。そこに他の人間が介入するとなると、巻き添えをくって死ぬことになっただろう。
薄氷を渡るような戦い。
それがドライアスを倒せる可能性を持った唯一の方法だったのだ。
戦いの最中に時限式の
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