第14話 白黒パンダ

白黒パンダ


実はこのぐらいの天候が一番走りやすいと言える、気温もさほど暑くないし空は曇っているし時折霧雨が降る。

北海道のPC(パトカー)は基本午後から出動する、あのレーダー探知機を設置するには用意に時間がかかる。

それに雨の日は機材が濡れてしまうので取り締まりはほぼやらない。

現在は便利な車内設置型速度取り締まり装置により、いちいち道のわきに隠して設置しなくて良くなったが。

昔はちゃんと道路に色んな器具を設置してスピード違反の取り締まりをしていた。

だから昔は午前中にどれだけ走って距離を稼げるかが早く目的地まで到着するためには必要な事だった。

この時のフィーバータイムのリミットは午後1時まで、警察官だって昼食は摂る。

午前中に準備を済ませ昼食を摂り、機材を積んでいつも取り締まりをしている場所へと行き。

速度取り締まり装置を設置する、それが午後1時過ぎからという事になる。

本州でも北海道でも朝の出勤時間帯には取り締まりはあまりやらない、道路も混みあっている場合が多いから。

それはこちらもあまりスピードが出せないと言う事もあるので、午後からの取り締まりは理にかなっている。

だが俺達は年に1度のスピード出し放題を楽しみに来ている。

船から下りてからの約2時間でどこまで行けるのか…ちなみにその2時間でこの時は夕張まで行った。

給油は長万部で1回そして苫小牧で1回、そこから夕張を経由して日高山脈を横断し十勝清水へと出る。

ちなみに伊達か白老から道央自動車道を使うと言う方法もある、その場合旭川まで自動車道を使い層雲峡を通って北見へと向かうルートになる。

どちらが楽かと言えば昔は高速道路を途中使用した旭川ルートの方が楽だったが、今は森から道央自動車道に入り日高山脈を経由して足寄まで行くと言うルートの方が断然早いだろう。


一般道のルートは日高山脈まで来れば取り締まりなどという事は無い、だって山道でしかも峠道でスピードを出せてもたかが知れているし、速度違反の取り締まりと言うのは200メートル以上の直線が無いと行えなかったりする。

折角取り締まるための機材を設置して、誰もスピードを出す事が無ければ無駄になってしまう。

だからここまで来てしまえば後は足寄までは気持ちよく走れるはずなのだが。

日高山脈越えは結構面倒だと言っておく、先行する車に大型トラックや大型バスが1台で済めば良いが、カーブを超えるごとに必ずゆっくりと走るそれらがいると、もちろんスピードは全然上げられない。

まあ殆どこれらの車は途中のドライブインまでなので、俺達はパーキングエリアで数分の休憩を取ると大型の観光バスが出る前に先へと進まなければいけない。

その当時、日高山脈には1か所だけドライブインがあった、休憩するのならそこしか無かったような気がする。

「あとなんキロだ…」

実はここまでで北海道半分と言った所、飛ばせるのはやはり海沿いの道長万部を過ぎたあたりの直線だろう、但し海風も強いので気を付けないとハンドルを取られるから気を付けよう。

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