第8話 上河内SA

上河内SA


首都高を出ると最初にガソリンを入れたくなるSA、蓮田や佐野藤岡ではまだ早すぎる。

出て来る時に満タンにしていれば50kや70kぐらいの距離でお休みするのは早すぎる。

まあ初心者ならばSA(サービスエリア)への出入りの練習を兼ねて途中の佐野藤岡SAに寄って行くのも良いだろう。

ザックリと距離を計算すると佐野藤岡SAまでが100k前後、上河内SAまでが150k前後、那須高原SAまでが200k。

どうです?これを自分のバイクの燃費とタンク容量で計算すれば、何処で給油するか簡単に分かるはず。

「そんなの計算するのは面倒くさい」

そういう人は俺が書いた戯言など気にせず行くとよい、そして高速道路上でガス欠を味わってくれたまえ。

ちなみにそういうバイカーを何人か見た事が有る。

どうなったかって?そりゃ押して行くんだよ、バイクをしかも荷物詰んで重くなったバイクをね。

運が良ければ数キロ先にSA(サービスエリア)のGS(ガソリンスタンド)へたどり着きホッと一息つく事ができるだろう。

だがそこから再出発する根性があるかどうかは別問題、多分1時間は何もする気が起きなくなるだろう、ぜひ試してみる事をお勧めする。


俺のバイクは15リッター入りのタンクだったため予備タンが2リッター。

予備タンクと言うのは一応燃料切れで困らないようにと1リッターから2リッターマージンを設けてある、ガソリンで走る乗り物は全部そういう仕組みになっている。

車も燃料のインジケーターがレッドラインに到達しても少し走れるのはそのためだ。

勿論そこから10kぐらいでGSが見つからなければJAF(日本自動車連盟)に助けを呼ぶしかなくなる。

バイクの場合も契約していなければ呼ぶことができないが、どちらにしてもツーリング中にガス欠を起こせばかなりのタイムロスを強いられてしまう、高速道路上でボッチになりたくなければちゃんとどのくらいガソリンがあるか計算して走ることをお勧めする。

バイクの仕様によっては最近のバイクは殆どがデジタル表示になり、予備タンも満タンも燃料の残量までも表示してくれると思うが、少し古いバイクならばそう言う機能が無いため、ちゃんと覚える事これは鉄則だ。


そんなこんなで俺は最初のSA上河内で燃料を入れる為立ち寄ることにした。

タンク容量が20ℓ以上あればこの先の那須高原SAまで行けるが、まあ無理は禁物だ。

見ると他にもここで入れて行くやつが多い、先行したライダーは既に入れ終わり次の給油地まで飛ばしていく。

俺も缶コーヒーを1個飲み干し、煙草を吸う暇もなくGSへとバイクを移動させる。

ここまでで150k給油は13,6ℓだった燃費はやや良い方だと思う、目の前の車は全て抜いてここまで来た、少しセーブしながら走って来たが、それでもいつ燃料切れになるのかハラハラものだ。

俺も一時期サブタンクなるものを積んで行った事がある、5ℓ入りの携行缶にガソリンを入れ積んで行くのだが。

よくよく考えてみると高速道路では必要が無い、ガソリンスタンドは50kごとに必ずあるし、給油する場所が分かれば逆算してタイミングの良い距離にあるSAに入ればよい。

だが下の道を走って行くライダーならば、夜になるとオープンしているGSが大きな町しか開いておらず、立ち往生を強いられることになる。

当時、田舎のGSは早ければ8時か10時で閉まってしまう、大きな町まで行かないと24時間営業のGSは無かった、これは一部の高速道路でも当てはまるが一応東北道のGSは全部24時間やっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る