おはよう世界

「……おはよう~」


「ふぁ~あ、ん? どうしてここで寝てるのかって?」


「ん~、なんだか人の温もりを感じたかったから?」


「何か、いつも一緒に居るから夜寂しくなっちゃうんだ~」


「君も? えへへぇ~」


「今日は休日だけど予定ある?」


「行きたいところはある? ふ~ん」


「私? 今日も予定ないけど」


「どこか行きたいところないかって? 予定あるんじゃないの?」


「「今日は一緒に映画行こうかと思ってた」ってそういう言い方は狡いな~」


「何見るの? 特に決めてない? そっか」


「……あ、これなんてどう?」


「このアニメ一緒に見てたし、どうかなって」


「やった! この映画見たかったんだよね~。 一人で行くのも寂しいし、こういうの好きな友達いなくてさ~」


「だから、今日は映画デートを兼ねて見に行こう!! だってこういうと気じゃなきゃいけないもん」


「もっと他にあるかもしれないけど、私は今、これが見たいの!! 駄目?」


「よし、決まりだね。 それじゃ着替えて集合って事で」


 

★★☆★


「お待たせ~って誰!?」


「うわ~、格好良すぎて一瞬わかんなかった。 いつもそうすればいいのに」


「面倒くさいのは分かるけど、そういうのは大事だと思う。 いつもの君も大好きだけど、こういう君も好きだからさ」


「照れてるな~にょっほほ~」


「ま、でもどっちでも私は好きだけど《ボソッ》……」


「それより、どうかな? 似合ってる?」


「えへへ、ありがと。 それじゃあ、はい」


「何ってわからないかな? 手を繋ごうって雰囲気だったでしょ?」


「デートなんだから、繋いだっていいでしょ?」


「ふ~ん……私とは手を繋ぎたくないと?」


「ば~か」


「もういいよ、君に期待した私が馬鹿だった。 行こう」


「いいよ、もう別に嫌々繋がれても嬉しくないし」


「いいから、行こう? 今から行けば最初の上映に間に合うから」

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