第15話

「考えがある。イディオ、装備を全て外せ!」

「は?どうするってんだ?」

「どうやってか知らねえが、こいつは装備を全て奪う能力があるようだ。」

「だからって何で装備を外す必要があるんだ?」

 心底訳が分からないといった感じで聞くイディオ。

 不敵な笑みを浮かべつつ勇者は、

「そんなの決まってるじゃあねえか?」

「おい、嫌な予感しかしないんだが?」

 冷や汗を流しながら言うイディオ。

「念の為服も脱いどけ!」

「やめてくれー!」

 そう言いながら何をするのか分かったイディオはパンツ以外を脱いだ。まだパンツは予備があるからだ。


「よし、逝って来い!」

「何だあ?逝って来いって!行ってこいじゃあないのかよ!」

 突っ込むイディオを勇者は思いっきりリューク?だった鎧に向かって突き飛ばした。

「ギャー!」


 イディオはリューク?に体当たりをする羽目になり、そのまま2人?して倒れこむ。

 その隙に勇者はもう一度リューク?の首を刎ねる。

 転がる頭。

 それを見たレーツェルだった鎧が一瞬動きを止めたのを見逃さなかった勇者は、すかさずその首も刎ねる。

 そして2つの首を纏めて掴み、穴へ落とす。

「逝ってこい!」

 頭が無くなり狼狽える?2体。

 この間にイディオも立ち上がり、リューク?を穴へ突き飛ばす事に成功する。

「おー!落ちるう落ちるう!」

 勇者もレーツェルを突き飛ばす。


「さあ帰るか。」

「おい待て、服ぐらい着させろよ!」

 面倒臭そうに待つ勇者だった。

 安全地帯へ戻ってきた勇者とイディオだったが・・・・


「おい、2人は何処へ行った?」

「何処って言われてもな・・・・マットぐらいしか残ってないぞ?」

 勇者とイディオが戻った時、聖女アルフォンシーナとビーチェの姿はどこにも見当たらなかった。


「荷物も無くなっている?」

「どうするんだ?水も食料もないぞ。」

 そう、勇者とイディオはアルフォンシーナとビーチェと行為に及ぶ時、全裸になっていたので装備も、カバンも全て取り外しており、その後そのまま戦闘になった為装備以外はこの場に置いてあったのだ。

「どうすんだよ?」

「俺に聞くな!」


 ダンジョンに取り残された2人であった。

 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 


 少し時を遡る


 聖女であるアルフォンシーナとお付きのビーチェは、勇者とイディオが謎の鎧と再戦?している間に何とか身支度を整え、荷物を・・・・その場に置いてある荷物を全てかき集め・・・・マットは大きすぎて放置する事にしたのだが・・・・手元にある緊急脱出用のアイテムを使い、ダンジョンから脱出を果たした。


 身支度を整えたとはいえ2人の姿は衣類が所々裂け、肌はかなりの部分が露出しており、一目で何かあったのだと分かるほど。

 そして二人が辿り着いたのは、セアリアス帝国・帝都プレジールのプレジール城。    

 城の中の一室。

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