第13話

「いって―!リュークのくせに生意気な!」

 左腕にいいのを受けてしまい、余裕がなくなる。

 そしてどんどん後退していく勇者とイディオ。

「こりゃあさっき戦ったリビングアーマー以上の強さだぜ!どうすんだ、勇者よ?」

 こうなったら仕方ねえな!本気を出すぜ!

 そう言って勇者は別の剣を取り出し、二刀流に。

「勇者に刃向かったんだ、死んどけや!」

 だが中々突破口をつかめない。

 ここにきてリューク?が足元に落ちていた石を踏んでしまい体勢がぐらつく。

「今だ!チェスト―――――!」

 とか言いながらリュークの首を刎ねてしまう。

 それを見て動きを止めてしまったレーツェル?に対しても左の剣で一気に首を刎ねる。

 倒れる2体。

「おいおい、殺す事はなかったんじゃねえか?どうすんだよこれ?流石に怒られるぞ!」

「うっせー!勇者に逆らったんだ!死んどけってな!」

 興奮していた2人は倒れた2体の違和感に気が付いていなった。

 そう、首を刎ねたにもかかわらず、2人からは血が流れていなかったのである。


「おー痛かった・・・・くっそ!めっさ腫れたじゃねーかよ!」

 先程痛めた腕が傷む勇者。

 かなり腫れている。

「ポーション使うか?」

 そう言ってイディオは勇者にポーションを渡す。

 実はこの2人、まだまだポーションを持っていたのである。

 イディオが鎧と戦った時にダメージを受け聖女に回復魔術を使わせたのは、聖女の魔力が枯渇するように仕向ける為であったのだ。


 勇者が治療を行ってる間、それは音もなく起き上がった。

 そう、首がないリューク?だった鎧が起き上がったのである。


 異変に気が付いたのはイディオだった。

「おい勇者後ろ!」

 イディオに言われ振りむく勇者。

 そこには頭のない鎧が勇者を掴もうとしている所だった。

「うおぉ!」

 咄嗟に手にしていた剣で鎧に切りつける。

 だが・・・・鎧の右手に剣を受け止められ・・・・ずにそのまま勢い余って倒れこむ勇者。

 何が起こったのかわからず呆然とする勇者。

 そして鎧が勇者を掴む。

「くそ!何だこりゃ!」

 鎧に摑まれた勇者であったが、何故か装備が消えていく。

 イディオがすかさずリューク?に体当たりを。

 はずみで勇者を離すリューク?

「勇者、剣と鎧はどうした?」

「どうしたもこうしたも・・・・消えた?」


 今、勇者は鎧を着ておらず剣も1本がなく、もう1本があるだけである。

 そこにイディオがリューク?に攻撃を行うが・・・・

「げ!」

 確かにイディオが振った剣はリューク?に当たったのだが・・・・右手で受けられてしまい、右手に当たった瞬間、剣が消えてしまったのだ。


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