第2話

「おい勇者、どうするんだ?2人倒れたまんまじゃねえか!」

「あほ言えイディオ、アルフォンシーナが倒れたのはお前のせいだろうが!」

「そうは言っても仕方ねえだろ?」


 何だろう2人の会話、白々しい感じが・・・・


 そう思っているとレーツェルさんが・・・・

「それよりどうするの?この場に留まるのは厳しすぎるわ。」


「おお!そうだった!流石レーツェル!そうだな・・・・このまま前に進んでも厳しいな。一度安全地帯に戻ろう。」

「それはいいが勇者よ、この身動き取れない2人はどうするんだ?」


「それは・・・・アルフォンシーナは俺様が、ビーチェはお前が運べ!レーツェルはまだ魔力残っているだろう?周囲の警戒を。リューク、お前も少しぐらい戦えるだろう?後方で警戒を!」


「は・・・・はい、わかりました!」


 何だろうこの違和感。


「ここから安全地帯まで20分ぐらいかかるわよ。聖女様は兎も角ビーチェはもつかしら?」


「大丈夫だろう・・・・なんてったって勇者パーティーなんだ、女神の加護があるから余程の事が無い限り死にはしないさ。」


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・

 途中魔物と遭遇する事なく安全地帯に。



「おいリューク、2人を寝かせたい。大きめのマットを2つ出せ。」


 僕は特殊なスキル、空間というのが付与されていて、普通では考えれれない大きさ、重さの荷物を運ぶこ途ができるんだ。


 だからそれ以外に取柄のない僕が勇者パーティーに選ばれたみたいで。


「あ、待って下さい。」

 僕はマットを探す。あった。


 マットを2つ、床に敷く。

 そして勇者様とイディオさんがそれぞれ2人の女性を降ろす。

 2人とも小柄だったからか、2人共何でもなさそうに運んでいたな・・・・・


 僕には人を抱えてこんな距離歩けない・・・・流石だ。

「おい、リュークさっきの鎧、回収したか?」


「えっ?そんなのしてませんけれど?」

「あほかお前、何のための荷物持ちなんだよ!回収ぐらいしとくだrou?」

「おい勇者、ただの荷物持ちに何を言っているんだ、期待しても仕方ないだろう!」

 うう・・・・そんな時間なかったし、そもそもあんなのどうするの?

「何言ってるの?そもそもリュークに回収する機会を与えなかったでしょ!」


「やれやれまたレーツェルの説教が始まったyo!仕方ないjan!みんな疲れてそこまで頭がまわらなかったんだyo!」


 うーん、またイディオさんと目配せしている?


「どうするの?まさかリュークを一人で回収させに行かせないでしょうね?」


「もちろんだyo!リュークとレーツェル先生!二人で行ってきてyo!俺様とイディオは二人の回復を見守ってるからyo!安全地帯と言っても他の冒険者が来るかもしれないsi!」


 この時僕は勇者様とイディオさんの表情に違和感を覚えまくっていたんだけど、後になってこの時何もしなかった事を、死ぬほど後悔する事になるとは思ってもみなかった・・・・

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