下 再開の前

 随分と時間が経ってしまった。

「またね」

 別れ際に彼はそう言った。私の決意を聞いても、彼は今まで肯定も否定もしなかったのに。胸がきゅうと締め付けられる、そんな感覚に襲われる。身辺の整理を終え、もう私の人生において何かに動揺することなどないと思っていた。

 ふと、彼の文章を読んで生じた疑問が口からこぼれ出た。

「神様って何だろうね」

「神と量子力学の解釈次第だと思うよ」

彼は淡々とそう答えた。

 それを聞いて少し安心した。そういえば、彼はこういう人だった。だからこそ信じられた。


「また来るね」

「待ってる。明日も連絡するよ」

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君の憂鬱、最後の転生 青柳藍 @aoi_yagi_0921

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