#0006 海辺の花火

黄昏の海辺。

水平線の彼方に見つけた一番星が近づいてくる。瞬きながら真っ直ぐに。

やがてその光が花火だと気付く。顔の見えない女が持っている。

女は波打ち際で立ち止まる。足跡はない。

私の体は砂浜に根を張ったように動かない。

女が花火で宙に何かを描くと涙が溢れた。

理由を知りたい。

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