第97話 戦線離脱?!
「増子さん、足元見て……」
「うあっ! 誰だこの人?! しず子さん、怪我してるみたいだから癒しの水をくれ」
「その必要はないわよ~。この人が私たちを殺そうとした
「えっ、この人が呪術師なの?」
「そうだよ。呪術より爆薬の扱いの方が得意みたいだけど」
僕は増子さんに経緯を説明した。
「
「話しかたがヌズタークみたいだったから自爆すると思ったんだよ」
「ヌズタークってなんだ?」
「バズスタルアの町で悪さをしていた悪党だよ」
「バズスタルアの町?」
「増子さん、
「そうだったのか。ゲームの内容で敵の作戦に気付くのは凄いな」
「ありがとう、増子お姉ちゃん」
「さて、私はその呪術師を連れて行くわね。車を取ってくるから待ってて」
「それなら僕が運ぶよ」
増子さんが魔法のステッキを呪術師に向けると、呪術師の体が浮いた。
そういう事も出来るんだ。
増子さんの超能力って万能だよね。
「さて、出発だ」
僕達は車を停めている駐車場まで向かった。
すれ違った通行人から熱い視線を向けられる。
宙に浮いた人を運ぶ魔法少女二人の後ろを少女とウサギが追いかけていたら気になるよね。
手品師だと思ってくれていると良いのだけど……
悩んでも仕方がないから、気付かない振りをしよう!
駐車場について呪術師さんを車に乗せた後、
そして
店の中では
「しず子、お疲れ様」
「そいつは僕が預かるよ。政府への引き渡しは任せてくれ」
「
しず子さんが呪術師さんを
僕達を仕事に誘ってくれたしず子さんが居なくなったらどうしたら良いのかわからないなぁ。
「せっかく来たのだから、ゆっくりしていってね。お嬢さんはここね」
元気いっぱいの増子さんが身じろぎしないで固まっているのは不思議な光景だな。
触れただけで魔道具も聖遺物も壊してしまう体質だから、お店の品物を壊さないように気を付けているだけだと思うけど。
「お茶とお菓子を持って来たわよ」
増子さんは……何も触れずにお茶とお菓子を引き寄せた。
「あら貴女。いつの間に念動力を身につけたの?」
「ててて
「増子お姉ちゃんは物を動かす魔法を使えるようになったんだよ」
「なるほどねぇ~。念動力の魔法ね。うちの店の製品ではパワーアップ出来なくて申し訳ないと思っていたけど、それだけの力を自分で身に着けられたなら問題ないわね」
「いや~。あの時は色々壊しちゃって申し訳なかったです。僕も諦めずに努力を続けて良かったです!」
増子さんが嬉しそうに言っているので、ますます真実を伝えにくくなってしまったな。
本当はハバっちゃんが持ってきた宇宙人の飲み物を飲んで超能力を身に着けたんだけどなぁ……
「テプちゃんも食べる?」
「うん」
美味しいなぁ~。
「ところで、
「敵を用意してくれるって聞いたよ」
「違うでしょ。呪術師さんが悪さをしているから探して欲しい言って聞いてますよ」
「僕も同じだな」
「それなら私が説明するわね」
今回の敵の呪術師さんの事件には七つの大罪が関わっているそうだ。
この前戦った暴食のレオディック・セブンから聞き出した情報によると、隣町では最近異能を用いた犯罪が多発しているが、その全てに七つの大罪が関わっている可能性が高いんだって。
異能を使った犯罪は危険だよね。
でも
僕たちで全部やっつけちゃおうかな。
「
「テプちゃん、七つの大罪は残り4人なのよ」
「えっ、でも僕達が倒したのは強欲のアクイアス・セッテと暴食のレオディック・セブンの二人だけですよ」
「憤怒の
これは絶対に負けられない戦いなのだ!
「そういう事なら僕達も戦います!」
「そうだな。僕達で協力して七つの大罪から町を守ろう」
「レアアイテムをドロップしないから興味ないなぁ。人間じゃなくてモンスターと戦いたいど、
僕は気付かない内に
普通は、そんな事に興味を持つはずがないのに。
子供を犯罪者と戦わせようとするなんて良くない事だよね。
今まではゲームの延長で戦ってくれていただけなんだ。
「モンスターの居場所は分からないわねぇ。七つの大罪は私と
「頑張ってね
嬉しそうに話す
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