第79話 舌戦
WEB会議を行った翌週の月曜日。
今日は冥王軍の作戦決行の日だ。
僕達は予定通り放課後に商店街に集まった。
怪盗ガウチョパンツの情報通りであれば、鉱魔の襲撃に立ち会えるはずだ。
「
どうやって出現したのだろう?
出現した鹿の
普通に移動してきたとは思えない。
瞬間移動してきたのか、商店街で生み出されたのか……
う~ん、たぶん生み出されたのだろうな。
瞬間移動出来るのに、ピンチになった時に逃げないのはおかしいからね。
やっぱり鉱魔の出現は人為的なものだったんだね。
そして必殺の呪文の
全てを貫きし灼熱の刃よ
大地を
気高き勝利の花!
「貫け!
攻撃を察知した鹿の
鹿の鉱魔の足元から出現した炎の花弁が胴体を貫く!
一瞬で灰になる鹿の鉱魔。
これで準備オッケーだね。
僕達は
10分後ーー
「鉱魔は何処だ!」
足が速い
彼女の後ろから
「鉱魔ならおりませんよ。魔法少女のみなさん」
「またお前達か! 鉱魔は何処だ?」
「どうしたの
「何をしてるの
「我は冥王。我が領地である
「何言ってんだ! 俺達は鉱魔を倒す為に来たんだ。居場所を知ってるなら早く言え!」
「
「落ち着きなさい二人共。子供相手に大人げないです」
「気にしなくて良いですよ。我は冥王。そんな些細な事は気にしません。お三方は鉱魔を倒す為に来たとおっしゃっておりますが、見ての通り鉱魔はおりません。何故鉱魔が出現したと判断したのでしょうか?」
「大賢者からの情報だよ。さっき鉱魔の力を感知したって連絡があったんだ」
右腕にはめている腕輪で通信が出来るって事なのかな?
変身用の珠以外にも大賢者からアイテムを貰ってたんだね。
「おかしいですね。存在しない鉱魔を感知したのですか? 本当は自ら鉱魔を生み出しているのではないですか?」
「貴女達は鉱魔を生み出している理由について推測出来ているのかしら? 仮に鉱魔を生み出しているのが大賢者だとしましょう。それなら鉱魔を倒す私達魔法少女を生み出した理由はなにかしら? 魔法少女が大好きだから、私たちを活躍させる為に鉱魔を生み出しているとでも言うの?」
「理由は本人に聞かないと分かりません。だから大賢者と話がしたいのです」
「話にならないわね。鉱魔を倒せるのは私達だけ。それが大賢者が正しいという根拠。貴女のお友達では鉱魔を倒せないでしょ?」
「倒せるよ。一瞬で」
「クマの鉱魔を倒せなかったでしょ? 鉱魔は倒しただけでは意味が無いのよ。
「違うよ」
「何が違うの?」
「わたしが倒したクマの鉱魔と、彼女が倒したクマの鉱魔は同じじゃなかった。違う個体だよ」
「そ、そんな事が……いや、まさか……」
彼女なりに気付いた事があったのだろう。
「惑わされないで! 大賢者の行動に不審な点があったところで、鉱魔は人々にとって脅威な事には変わりない。町の皆を守らなければならない事に変わりはないでしょ!」
彼女は大賢者が不審だと思っても、鉱魔を倒してみんなを守るって目的から逸れる事はない。
理想の魔法少女だと思う。
それでも彼女を止めなければならない。
「
「テプちゃん、鉱魔を止めれれるのは……」
「止められてないよ!
「そんな事は分かっている。でも、それでも倒し続けないといけないの!」
「いつまで続けるの? 一生続けられる? 今は中学生だから戦えるかもしれない。でも大人になっても続けられる?」
「戦うわよ。私が戦える間は!」
「そんなの変だよ! 楽しい学生生活を
「それでも! 私は!」
「
「そ、それは……でも……私は……」
後継者の魔法少女の話をしたのは、ちょっと
でも
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます