第65話 燐火ちゃんと走る
しず子さん達が帰った後、僕達も帰宅した。
ふぅ、やっと休めそうだな。
僕は押し入れの自室でくつろいだ。
しず子さん達はそれを止めて賢者を呼び出そうとしている。
そして僕達は二組の魔法少女達を妨害して更に混乱させている。
う~ん、考えるまでもなく
このまま
毎回悩むけど、
彼女たちが鉱魔と戦うのは、僕達が魔女と戦うのと同じだからね。
所属は違っても、魔法少女の活動を妨害してはいけないよ。
よしっ、こうなったら僕が
僕は魔法少女をを導く妖精なんだからね。
さて、もう寝ようかな。
あしたは気合を入れて
僕は眠りについた。
翌朝、起きて直ぐに押し入れの扉を開けると、既に
「
「テプちゃん、何で鉱魔と戦わないといけないの?」
予想通りだけど、
ここで引き下がったら僕の負けだ。
ぬ~ん。
僕は気合を入れた。
「
「やだ。今日は走りにいくから。テプちゃん、朝ごはんの時間だよ。先に行くね」
えっ、走りに行く?
僕は慌て
何で走りに行くのだろう?
疑問に思ったが食事中はおしゃべりしない主義なのだ。
ママさんが作ってくれた朝食をもぐもぐ食べた。
朝食後、
「行ってきます!」
そう言った直後、
えっ、今も走るの?!
登校中に話の続きをしようと思っていたから不意をつかれたよ。
慌てて
はぁはぁ……
追いつけないよ
僕は途中で
仕方がない。
僕は
追いかけなくても行き先は分かっているから大丈夫だよね。
ゆっくり歩いて小学校へ向かった。
「テプちゃん遅い。真面目に走らないと立派な妖精になれないよ」
「
「忘れたの? 今月は運動会があるんだよ。頑張って走らないと駄目だよテプちゃん」
運動会?!
そういえば、そんな行事が今月あったけど……鉱魔はどうするの?!
学校も大事だけど、変な鉱物の魔物が街中を
昨日あんなに
「
「リレーのアンカーに選ばれたから元々頑張る予定だったよ」
「でも急すぎない? 昨日まで魔法少女同士の戦いに夢中だったのに」
「テプちゃん、メリハリが大事だよ。気持ちを切り替えないとダメだぞぉ~」
「でも大魔導士を目指すのに運動はいらないよね?」
「何言ってるのテプちゃん? 大魔導士だって運動は大事だよ」
「でも魔法使い系の職業って運動は苦手でしょ?」
「がっかりだよ……テプちゃんが職業差別をするなんて……」
職業差別?!
僕は間違った事は言っていないと思うけど?
「職業差別なんてしてないよ。魔法使いって運動苦手だよね?
「先入観で言ったらダメだよ。ゲームで魔法使いが運動出来ないのはゲームバランスの為だよ。現実の大魔導士は運動も得意なんだから」
「でも素早く動く大魔導士ってイメージ出来ないなぁ……」
「何で? 増子さんが好きな魔法少女アニメの主人公は運動能力高いでしょ? 大魔導士だって運動が得意でも変じゃないよね?」
そう言われれば変じゃない気がしてきた。
運動が得意な大魔導士って言われると、杖を突いたお爺さんが高速で動くのを想像していたから変なイメージだった。
でも魔法少女が運動得意なのは変ではない。
朝は不意を付かれたが、僕だって飛行すれば早く動けるんだからね。
「分かったよ
僕はロッカーの上で授業が終わるのを待った。
放課後、僕達は予定通り走りに行った。
ビューン!
僕は勢いよく
どうだ! 早いだろ!!
「
僕は魔力が尽きてきたので地面に降り立った。
「何言ってるのテプちゃん? あと4キロ走るんだよ」
「えっ、4キロ?!」
「マラソンの練習なんだから1キロじゃ練習にならないよ」
「マ、マラソンなんて聞いてないよ」
「全員参加のマラソンとリレーに参加するんだよ。永続魔法と速攻魔法みたいで楽しいよね!」
何それ!
僕は楽しくないよ!!
待ってよ
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