第61話 第三勢力
しず子さん達が悪の魔法少女扱いされている緊急事態なのに、
早く話をしたかったが、ゲームの邪魔をしたら別の意味で緊急事態になるので止めた。
「ふぅっ。今日の収穫はいまいちだったなぁ。あれっ、テプちゃんおかえり。温泉旅行楽しかった?」
「ただいま
「大丈夫テプちゃん? 混乱してる? 意味が分からないよ」
ちょっと説明を省略し過ぎたかな。
実際に体験した僕たちなら理解出来るけど、知らない人が聞いたら理解出来ない状況だから仕方がないかな。
ゆっくり説明すれば良いのだろうけど、そんな心の余裕がないんだよね。
今まで
「
「テプちゃん、質問が多いよ。落ち着こうよ」
「分かったよ
僕は深呼吸をした。
「落ち着いたよ
「知らないよ。教えてくれなかったから」
「えっ、何で?」
「テプちゃんがいなかった間の事を話すね。その方が話が状況を理解しやすいと思うから」
そう言った後、
僕が旅行に行った日、しず子さんが久しぶりに喫茶店に現れたそうだ。
そして、増子さんだけに話があると言って連れて行ったので、
翌日、町に現れた鉱魔を
狂暴な鉱魔を守った事で町のみんなからはヤジを飛ばされていたけど、二人は気にせず去っていったそうだ。
その場にいた
「そんな……仲間なのに……」
「大丈夫テプちゃん? 顔が青いよ」
「だって! 鉱魔を守っただけで驚いたのに、
「何か事情があるんじゃないかなぁ。しず子さんがアクイアス・セッテを出せって言っていたから」
「しず子さんが賢者を探している事は分かったけど、邪魔をする為に鉱魔を守るのは良くないと思うよ」
「邪魔する為に鉱魔を守るか……ちょっと違う様な気がするなぁ」
「ちょっと違う?
「鉱魔を守るのも目的のような気がするんだよね。
鉱魔をコアにしたくない?
何でだろう?
鉱物の力と体を持った魔獣である鉱魔。
大自然の力を持った凶悪な危険な存在だから倒した方が良いと思う。
謎の賢者は胡散臭いから気になるけど、鉱魔と戦う
今の所、鉱魔を完全に倒すには
「う~ん、しず子さん達が何を考えているのか分からないなぁ」
「テプちゃん、悩んでる?」
「悩んでるよ。どうして
「テプちゃん興奮しすぎだよ。落ち着いて状況を思い返してみようよ。新たな発見があるかもしれないよ」
状況を思い返す?
しず子さんが増子さんを巻きこんで
更に鉱魔を守って悪の魔法少女と呼ばれている。
しかも
何の発見があるんだろう?
僕には分からないよ!
「ごめん。
「テプちゃんは鈍いなぁ。それじゃ順番に説明するね。わたしたちは両陣営と面識がある」
ふんふん。
確かに両方の魔法少女と面識があるよね。
陣営って言い方が気になるけど。
「そして双方を倒せる圧倒的な戦力を保有しているんだよ」
圧倒的な戦力かぁ……
確かに火力だけなら
戦力という言い方は合わないと思うけど。
「ここまで言ってもテプちゃんは分からないの?」
「分からないよ。
「両陣営に属していないって事は、第三勢力って事なんだよ。主人公ポジションだよ! わたしの力で争う二つの勢力を制圧するの!」
そんな事を考えていたのね……
アニメでは定番の役割だけど、現実でやるのは簡単な事じゃないよ。
それに
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