第59話 事件の真相
「誰か降ろしてくれないかな? このままでは推理が出来ない」
怪盗ガウチョパンツが助けを求めたが、誰も助けようとしない。
「死体が降ってきたと思って焦ったではないか。コイツは捜査の
「無茶ですよ
「これだから最近の若い者はダメなんだ。私はね、逮捕しろと言ったんですよ」
こんな感じで毎日一緒に過ごしていたら嫌になりそうだなぁ。
「そんなに怒ったら
「仲間ではない! 部下だ!!」
「私の
病んでるなぁ……大丈夫かな
別な意味で不安になっちゃったよ。
「仲間割れするのは後にしてくれ、真犯人を突き止めるのが先だろ?」
怪盗ガウチョパンツが言った。
言っている事は正しいけど、天井から下半身だけ出ている状態で言っても説得力はない。
「答えは出ている。犯人は帯刀だ。この前読んだ小説の犯人が部下の刑事だったからな」
「それ読んだ事ありますよ。宇宙人警察の話ですよね」
「
魔王さんと
殺人事件が起きたっていうのに、推理小説の話で盛り上がるなんておかしいよ!
事情聴取の為に集まった他のお客さんも呆れているよ。
このままだと僕が犯人にされちゃうんだから、事件解決に集中してよ!
「もういいですよ! そんな
「オーナー落ち着いて下さい。せっかく今まで頑張ってきたじゃないですか?」
急にキレだした旅館のオーナーを
殺人事件が起きているのにふざけていたら怒るよね。
「ウワサとは何ですかな? オーナー詳しくお聞かせ願えませんかね? 女将さんでも構いませんがね?」
「どうしても私に言わせたいのだな……」
「何でとぼけてるんだ? 10年前の殺人事件の事に決まっているだろ? 僕は当時の事件の情報を集めに来たのさ!」
10年前の殺人事件?!
宴会場にいた全員が天井のガウチョパンツに注目した。
見えている部分がガウチョパンツだけだから仕方がない事なんだけどね……
「やっと忘れてくれたのに……客足が戻ってきたのに……」
旅館のオーナーがひざまずいた。
オーナーと
だから被害者が見当たらないのに、女将さんが被害者の状況を説明出来たのね。
そういう事情なら、事件が起きていないのに宿泊客全員を
よしっ、反撃開始だ!
僕は犯人扱いされたのを許していないからね!
「こうなったのは
「わ、私は悪くないぞ! 悪いのは
「何で
「私は彼が正確な報告をしなかったから判断を
この人最低だなぁ。
サボって何もしていなかったけなのに。
当然の事だけど、
振り向くと同時に、思わず息をのみ込んだ。
何故なら、
「殺人事件ならおきますよ、今からね。もう限界なんだよ! いつも、いつもアンタは!!」
「待て
「毎回現場を滅茶苦茶にして
「殺人はいかんよ
「全員動くな!!」
どうしよう?!
魔王さんは
そうだ!
僕には
今回使うのは
一番親しい人の力を借りられる指輪だ。
僕が使えば
効果は十分の一になるって聞いているけど、
僕は指に力を込めて願った。
使いたい魔法は
敵を追尾して地面から攻撃する魔法だ。
殺すのが目的ではない、拳銃だけを消し飛ばせばいいんだ。
来いっ!
カランカラン……
何の音だろう?
一歩踏み出すと何かが前足に当たった。
これっ……
前足でつかもうとしたけど重くてつかめない。
確かに
「何の音だ! 動くなと言っただろ!!」
あぁ……僕死んだかなぁ……と思ったと同時に
バゴンという音と共に怪盗ガウチョパンツが降ってきたのだ。
「借りるぞテプ少年!
怪盗ガウチョパンツが
杖の先端が拳銃を握る手に当たり、
さらに怪盗ガウチョパンツが素早く接近して腕を抑えて拘束した。
頼りになるなぁ。
これでカッコ良ければ完璧なんだけどね。
ガニ股で
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