第53話 一撃必殺
しず子さんがいればケガを治してあげられたのだけど、喫茶店で
気が合わないけど、次に会った時も手助け出来るといいな。
魔法少女として新たな敵である鉱魔と戦っている姿は真剣だったから。
「さて、お家に帰ろうか?」
「うん、今日はゲームで遊ぶ日だからね」
僕と
家に帰ると
いつもは
今回は
でも次に鉱魔に遭遇した時に
回復魔法の
そもそも毎回彼女達と一緒とは限らない。
僕達だけで鉱魔と戦えるのだろうか?
消滅させる事は出来そうだけど、コアには戻せないだろうな。
「ごはんよ~」
ママさんの声で考えるのを止めた。
考えても答えは出そうもないなぁ。
実際に試してみるしかない。
楽しい夕食の時間まで悩みたくないからね。
僕は考えるのを止めた。
翌日、下校途中で透明な鉱石で出来たクマが大暴れしている所に出くわした。
けが人が出ていないのはポニーテールの魔法少女が戦っているからだ。
「このクマ野郎! 大人しくしやがれっ!」
何でこの人が癒しの魔法の使い手なんだろう……あっ、しず子さんも同じだった。
気が強くないと手当てが出来ないのかなぁ。
「大丈夫ですか
「なんや、
「虐待じゃないですよ! これは取引の結果です!」
「ウサギのケツを刈るなんて変態か?」
「変人だけど変態じゃないです! 妖精の毛は価値があるんですよ!」
「そんな事はどうでもいいから時間を稼げ!
どうやら
攻撃魔法が使える
あんまり仲が良くないのかなぁ。
通っている学校も違うみたいだし。
「どうしようか
「どうしようって言われても、わたしに出来るのは火炎魔法を使う事だけだよ」
「大魔導士は火炎魔法の威力を上げる事に執着した愚者だから?」
「その通りだよテプちゃん! これが愚者の証だ!」
「さて、あのお姉ちゃんに当たらないように頑張るよ」
猛獣の牙より鋭き劫火の牙よ
我に仇なす全ての敵を絡め取れ
出でよ! 樹木の如き生命の花!
「蹴散らせ!
牙の様な鋭い湾曲した無数の劫火の花弁が、
貫いた花弁から火が広がり、クマの鉱魔が灰となって消えた。
まさに一撃必殺!
「あじぃっ! 火傷するだろコラッ! なんじゃこりゃ!!」
突然現れた炎の花弁を見た
僕は鉱魔の灰の山を前足でつついた。
残された灰から魔力も感じない。
消し炭になっただけみたいだね。
「テプちゃん、一件落着だね。帰ろうか?」
「お前らがやったんか?」
変身を解いて青いジャージ姿になった
「わたしがやったけど」
「なんて事をしてくれたんだ。コアが回収出来なかったじゃないか! コアが無ければ世界を救う事が出来なくなるんだぞ!」
「なんで?」
「大賢者アクイアス・セッテが言っていた。コアの力が無ければ世界は救えないと」
「だから何で? 大賢者に言われたから正しいの?」
「そうだ。私達に魔法少女に変身する力を与えた大賢者が言っているのだ。鉱魔が現れる程に荒廃した世界を救うにはコアの力が必要だって」
「荒廃している? 世界は平和だと思うけど?」
「子供だかから分からないんだ。この町は平和でも、世界では争いが絶えない。世界は終わりに向かっているんだ」
でも変だなぁ。
世界中で争いは絶えない。
でも、何で平和な
「
「平和を脅かす為だ。世界が荒れるのが鉱魔の望みだからな」
「鉱魔に意志は無かったと思うけどなぁ」
「そうだよね。ただ暴れているだけだったよ」
「それは下級鉱魔だからだ。上位鉱魔はこの町の破滅を望んでいるんだ」
「それも大賢者さんの言っている事?」
「そうだ」
「何してるの?」
あっ、
元気そうだから、
元気になっていて良かったよ。
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