第52話 テプちゃんが魔獣になる
いつもは
これ、何の効果があるのだろう?
首から下げている袋に沢山アイテムを詰めてもらったけど、使い方を一切教えてもらっていない。
効果が予測出来るのはこれだけかな。
僕は三つ首の魔獣が描かれた
これは地獄の番犬と言われているケルベロスだよね。
具体的な効果は分からないけど、たぶんケルベロスの様な力を得られるか、ケルベロスを召喚出来るかのどちらかだと思う。
いきなり失敗はしたくないから、最初に使うのはこれにしよう。
三つ首の魔獣の
これで準備完了だね。
放課後に謎の鉱物の魔獣に出会った時に使ってみよう!
あとはいつも通り授業を楽しんだ。
さて、下校の時間だ。
今日は魔法少女の活動をしない日だ。
この人は
「杖が出せる子供としゃべるウサギじゃないの。こんなところで何しているのかしら?」
「下校中に決まってるでしょ」
うぁ、殺伐としてる。
「そうよね。杖が出せるだけのお子様に何か出来るとは思えないからね。鉱魔が出る前にお家に帰りなさい」
「
別に
「その子、
「僕はアルタロネクタネブ・アバ・センタンクトロルテプ6世だよ」
「アル……セン……6世。長いからロクセイって呼ぶわよ」
「なんでロクセイなの?! みんなテプちゃんって呼ぶのに?」
「あだ名があるなら早く言いなさいよ。無駄に時間を使ってしまったじゃないの」
「無駄で悪かったですね。
「何で私の名前を知っているの? 私の事を調査していたという事は……敵?!」
この子変だな。
「調査なんてしてないですよ。この前友達が名前で呼んでいたでしょ」
「確かに
「帰ろうかテプちゃん」
「そうだね
僕は
これ以上話をしても時間の無駄だと思うからね。
「お待ちなさい!」
あれっ、目の地面から光が溢れている。
初めて見る光景だけど、なんとなく何が起きているか想像出来る。
これは鉱魔の登場だ!
「お下がりなさい」
「希望の戦士! エンジェルオーラ参上!」
半透明の鉱石で出来たお馬さんだ。
今日は
「仕方がないなぁ」
鉱魔を火炎魔法でやっつけるつもりなのだろう。
「まって
「そんな魔法ないよ。大魔導士が使うのは敵を
「危ない!」
話をしている途中の僕達を狙った鉱魔から守ってくれたのだ。
これは大ピンチだ。
鉱魔をコアに戻せる魔法が使える
そうだ!
僕は三つ首の魔獣が描かれた
首筋がムズムズするなぁ。
ぐぁっ!
首から二つの顔が生えてきて巨大化した。
あれっ、巨大化が止まった。
大きくなったのは三つの頭だけだった。
しかも大きくはなったけど、元々の僕の顔のままだから迫力がない……
見た目を気にしてる場合じゃない!
中途半端な変身だけど、ケルベロスになれる効果があるなら火を吐けるはずだ。
僕は気合を入れて息を吐き出した。
キュッキュッ!
可愛い鳴き声が響き渡った。
なんだろう、この空しい効果は……
馬の鉱魔があっけに取られて動きを止めている。
「エンジェリック・スメルティング!」
あっ、良く分からないけど無事にサポート出来たみたいだね。
「スピネル・コア回収完了!」
「敵を引きつけてくれて助かったわ。じゃあね」
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