第29話 鏡の迷宮と陽翔お兄さんの迷走
今日は
目的は新しく出来た鏡の迷宮だろう。
最近、この鏡の迷宮で行方不明者が出ているからだ。
たぶん
僕達を呼んだのは作戦が失敗した時の保険だろう。
被害を度外視すれば
遊園地についてすぐ、
僕には、何で
トイレでガウチョパンツに履き替えるのだろう。
迷惑だから止めて欲しいよね。
どうせバレバレなんだから、最初から履いてくれば良いのに!
「テプちゃん、鏡の迷宮に行こう!」
ですよねー。
行くなと言われたら、逆に行きたくなるよね。
一瞬迷ったが、僕は
どう考えても、怪盗ガウチョパンツが解決しようとしている程度の事件を、僕と
僕は姿を消して、
別に入場料を誤魔化しているのではないよ。
元々妖精に入場料金は設定されていないからね!
行方不明者が出ているっていう噂があるからだろうか、鏡の迷宮は空いていた。
「流行っていないね、面白いのに。テプちゃんが増えた!」
「
「こうやって左手をついて回れば、そのうちゴールにたどり着くよ」
壁ならやり易いけど、鏡に手を触れるのは怖いな。
割れたら嫌だな……
「うあああああああっ!」
僕は思わず飛びのいた。
突然、
僕達の直前に鏡の迷宮に入った人はいなかった。
それなのに、ノンビリ進んでいた僕達が前に入館した女性に追いつく事はあり得ない。
この人は……魔女だ!!
「私のテリトリーに現れるとは愚かなことよ」
「愚かではないよ。
「愚かね……その通りだよ。我はこの世で最も愚かな存在、大魔導士だ!」
「ちょっと、しっかりしてよ! 相手は魔女だよ! 早く倒さないと!!」
「もう遅いわよ」
ーーそう言ったと同時に魔女の姿が消えた。
「先ずは小娘の方からだ!」
どうしよう!
「サン・シェエエエエド!」
怪盗ガウチョパンツが車に使う日除けを構えて魔女の攻撃を受けた。
「くっ、完全に防ぎきれなかったか! 大丈夫か、そこの少女?」
怪盗ガウチョパンツが怪我をして膝を折った。
完全には防ぎきれなかったって言うけどさ、車の日除けじゃ魔女の攻撃どころか人間の攻撃すら防げないよ!
ケガをしても
「大丈夫だよ
「
「一人ザコが増えたくらいで私の攻撃を防げると思ったの? ほらっ、鏡がある限り、私は自由に動けるのよ」
鏡の魔女が次々に移動して見せた。
鏡と鏡の間を自由に移動出来るのか。
これでは奇襲したい放題だな。
これだけ速く動けるのであれば、
魔女にスキが出来れば良いのだけど……
「アンブレラァーンス! どりゃぁ! 魔法を使うなら今だ!」
怪盗ガウチョパンツが傘を槍の様に突き出した。
ダサッ!
そして危ない!
相手が魔女だからいいけど、それは禁断の技だ!
「何それ?」
鏡の魔女がぺしっと手を振り下ろすと、怪盗ガウチョパンツの傘の槍がひしゃげた。
「ただの捨て駒さ!」
カッコよく言ってるけど、本当に捨て駒だよ。
傘が無駄になっただけだよね?
だけど、少しは役にたったかな。
魔女が怪盗ガウチョパンツに呆れている間に、
シルクのドレスの如き
魅力に満ちた
「立ち塞がれ!
柔らかなシルクの様な
これは防御魔法!
僕は
頼りない怪盗ガウチョパンツより、
「
魔女が鏡の中から飛び出して攻撃をしてきたが、
相変わらず凶悪な威力だな……防御魔法なのに一瞬で魔女を焼き尽くしてしまったよ……
「どうやら貸を作ってしまったようだな。次に会った時に返させてもらうよ。さらばだ!」
怪盗ガウチョパンツが走り去っていった。
別に借りを返さないでいいよ。
僕と
そして、再びズボンに履き替えた
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