第16話 痴話喧嘩?
今日は二度と行きたくなかった
目的は増子さんの魔法力の強化だ。
僕の想像通りなら、このお店に魔法力を強化出来る道具があるはずである。
初めて来た時は恐ろしくてハッキリと見ていなかったが、
流石常連である。
問題なのは……しず子さんである。
今日のしず子さんは
そして、そんなしず子さんを見ても態度を変えない
「あら、いらっしゃい。今日は何を探しに来たのかな?」
「またそんな不気味な恰好をしていたの! いい加減止めなさい!」
しず子さんが怒鳴った。
しず子が怒鳴った理由は分からないが、ボディビルダーの様な筋骨隆々な体型の
「失礼ね。しず子は知っているでしょ? ママと同じ格好を馬鹿にしないで欲しいわね」
「何で
「なんなのよ。しず子だってママとは仲が良かったじゃない?」
「それは
「
「貴方の……貴方のせいでしょ!」
しず子が感情を露わにするのを初めてみた。
いつもは、ふわふわとした雰囲気で話すのに……
「ねぇオハコ? どうしたのしず子さん。様子が変だけど」
「見ての通りだよ。俺様に聞くなよ」
「分からないから聞いているのだけど。しず子さんの契約妖精なら分かるでしょ。何であんなに
「当たり前の事を聞くなって! 好きな人が変な恰好で、変な話し方していたら嫌だろ?」
好きな人?
嘘でしょ!!
しず子さんが
オハコは何を言っているのだろう……僕をからかっているのかな?
僕が納得していないのがオハコに伝わったのだろうか、オハコが尻尾でカウンターの上の写真立てを指した。
そこには女性と見間違うような美青年の腕に飛びついている学生服姿のしず子さんと、
しず子さんと
消去法で考えると、この美青年が
ええええっ!
何があったら、この美青年が三倍以上の体格の筋肉バッキバキ男になれるの?
「お友達が困るでしょ。いい大人なんだから落ち着きなさいよ」
「いい大人なのに変な事ばかりしているのは
「変な事ではないわよ。私はこの仕事に誇りを持っている。しず子こそ、なにかしなさいよ。28才なのに何もしていないのは問題よ。やりたい事はないの?」
「私が……私がやりたかったのは……」
しず子さんが
僕は気付いてしまった……しず子さんがやりたかった事を……
オハコの言う通り、しず子さんが
でも、
ふ、複雑だあ~。
「まぁ、直ぐには答えがでないでしょうけどね。今日はゆっくりしていきなさいよ。欲しい物があったらサービスするわよ。昔あげた古いお守りより効果が高いのが揃っているからね」
昔あげた古いお守り?
しず子さんの変身ブローチに古びたお守りがつけられていた。
やっぱり!
しず子さんの魔法が特別なのは、
「私はいらないわよ! 今日はこの子にあげる物を選びに来たの!」
「僕は
増子さんが
「あら、元気な子ね。私の事は
「わかった! 宜しく
「いいわね。貴女には特別な一品を選んであげるわね」
「ありがとう!」
増子さんが
想定外のトラブルがあったけど、元々の目的である増子さんのパワーアップは出来そうだ。
「楽しそうに笑っているけど、テプちゃんは大丈夫なの?」
突然
大丈夫って、どういう意味だろう?
「このままだと、お尻の毛が無くなるわよ」
まさか、僕の毛で支払うつもりじゃないよね?
僕は慌てて
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