第9話 魔法少女の目的
今日はみんなで作戦会議を行う事になったので、増子さんのご両親が営んでいる喫茶店に集まった。
予想以上に凶悪な敵が出現したのだ。
魔法少女に選ばれた三人には使命を理解してもらって、凶悪な敵がこれ以上出現しないようにする必要がある。
最初に自己紹介をする事になった。
仲間の事を知るのは大事だからね。
「僕は魔法王国アニマ・レグヌムの王子、アルタロネクタネブ・アバ・センタンクトロルテプ6世です。
「俺様はオハコ。最強の魔法少女、しず子の契約妖精さ! この世界のキツネに似ているらしい」
「俺っちはプレナ。一応、増子の契約妖精って扱いさ。この世界のタヌキに似てるってさ」
最初に僕達妖精が自己紹介した。
「わたしは
「私は
「僕は勇気マシマシの
魔法少女の三人も自己紹介をしたので、魔法少女の目的について説明する事にした。
「三人は魔法少女にとって一番大事な事は何か知っているかい?」
「でぃーぴーえす」
「人助けだと思いますよ~」
「もちろん勇気だ!」
しず子さんの答えは正解で、増子さんも一応大事な事を言っている。
だけど、
「
「一秒間に与えられるダメージの事だよ。でぃーぴーえすが高い方が効率が良いんだよ」
ゲーム用語ね……昨日の一件で、
僕は気にせず話を続ける事にした。
「しず子さんが正解だよ。人助けをして聖の気を集めて、魔の気を抑えるんだ。そうしないと凶悪な魔の者を呼び寄せてしまうからね」
「テプの言う通りさ。そして、魔法少女が人助けをする為のサポートをするのが、俺様達妖精の役目なんだ」
「僕には難しいな。変身する事しか出来ないし、学校が忙しいからさ」
「大丈夫ですよ~。私が毎日人助けしてますから。みんなで頑張りましょ~」
しず子さんは頼もしい……魔法少女としては。
でも大人なのに毎日人助けしていて大丈夫なのだろうか?
僕と初めて出会った時も平日なのに、普通に人助けの為に出歩いていたしね。
「この前みたいに強力な力を持った魔女が出てこない様に頑張ろう。前回は
「そうだねテプちゃん。アイテムを落とさない敵なんて必要ないよね。せっかく戦ったのに、何も残らなかったのは悲しいよね」
「何も残らなかったのは、
「気のせいだよテプちゃん!」
「でも、二人共凄かったよな。僕は何も出来なかったけど
「お水を
「そうだったのか! なら
「好きなんて生ぬるい。我の
「凄い気迫! 小学生とは思えない考えだ!」
増子さんが感心している。
それは
でも、どうして
好きな気持ちだけでは魔法力は上がらないはずなんだけど……
しず子さんも
「しず子さんは
「テプちゃん、命は大事に……ねっ?」
しず子さんが感情の無い声で言った。
こここ怖い!
しず子さんは
二人の間に何があったのか分からないけど、これ以上
丁度、デザートのアイスも来たし、楽しくお話しないとね!
「見つけたぞ魔法少女」
昨日魔王を名乗っていた男性が入店してきた。
僕達を追いかけて来たのか?
「何名様ですか?」
増子さんのママが普通に接客を始めたので、僕は様子を見守る事にした。
「我は魔王……」
「魔王様一名ですね。こちらにどうぞ」
魔王がカウンター席に案内された。
「ご注文は何になさいますか?」
「だから、我は魔王……」
「ご注文は魔王ですね」
「えっ、魔王? そんなメニューあるの?!」
戸惑う魔王を無視して真っ赤なカレーが運ばれてきた。
魔王が一口食べると……
「ゴハッ! 痛い! 痛いぞおおおおお!!」
魔王が
僕らがスイーツを堪能している背後で、何もしていないのに平和が守られていた。
よきかなよきかな。
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