第7話 忘れないよ
しず子さんの癒しの水が入ったじょうろで町を修復した後、僕は
今度こそはぐれない様にしないと。
妖精の僕が相棒として導かないとね。
今度こそ、人助けをして聖の気を集めて魔女の出現を食い止めないと。
町の中心で謎のガス爆発が起こった事が原因らしい。
僕は目撃していないが凄い爆発だったらしい。
まぁ、
人間の学校の授業が楽しみだったけど、次の登校日について行けばよいかな。
僕は
そして
*
夜になり、
「パパ、ママ。これテプちゃん。飼ってもいいかな?」
「初めまして
僕はお辞儀をした。
「お話が出来るウサギさんなのね。可愛いからママは賛成よ」
「パパは反対だよ。どこで拾ってきたの? 飼い主さんが探していたらどうする? 困っているかもしれないよ」
ママは賛成してくれたけど、パパは反対した。
「大丈夫です。僕は人に飼われていないので。僕が自分の意志でついて来ただけなんです」
「そうか、それならパパも反対しないよ。宜しくアルタロネクタネブ・アバ・センタンクトロルテプ6世君」
パパと握手をした。
凄いな
一回で僕の名前を暗記したよ。
僕は自分の名前を正確に言える様になるのに7年かかったのになぁ……子供だったから単純に比較出来ないけど。
「よかったわね。テプちゃんは何才なの?
「僕は10才ですよ。
「そうなのね。
「そうだな。良かったな
「う、うん……」
どうしたのだろう?
少し気になったが、
自己紹介を終えた後、僕は
*
翌日、目が覚めると
昨日の爆発騒ぎの影響で今日も休校だったからだ。
最初に向かったのは
「テプちゃん、覚えている? テプちゃんと出会った公園だよ」
「覚えているよ二日前の事だからね」
「良かった。まだ記憶は大丈夫なんだね」
「記憶は大丈夫? 僕の記憶がどうしたの?」
「何でもないよテプちゃん。次は私のお気に入りの場所に連れて行くね」
どうしたのだろう?
やっぱり
公園の次に郊外の小川につれてこられた。
「ここはね。友達と遊ぶ時によく来るんだ。こうやってね。石を投げるんだよ」
「凄いね
「ごめんねテプちゃん。テプちゃんは、もうピョンピョン出来ないんだよね……」
「えっ、まぁ、そうとも言えなくもないけど……」
違和感が凄い。
なんだか昔は出来ていたのに、今は出来ないと言われているようだ。
最初から、僕の脚では石をピョンピョン跳ねさせるような投げ方出来ないと思うけど?
「あっ、これ丁度いいかも。どうかな?」
流木だと思うけど……何を基準に判断したら良いのだろう?
良く分からないから、適当に相槌を打っておこうかな。
「丁度良いと思うよ。
「良かった。テプちゃんが気に入ってくれたなら」
理由は分からないが喜んでくれたなら良いかな。
今度は僕が
僕は
魔法の話題で盛り上がっていたら、大分時間が経ってしまった。
「
「うん、今日テプちゃんとお出かけした事……忘れないから。もっと沢山遊びたかったなぁ」
「そうだね。また来ようね」
僕達は一枚の板をお土産にして帰宅した。
*
翌日、目が覚めて直ぐに気になる物を見つけてしまった。
昨日
「え……これ……僕の名前?」
「そうだよ。お墓を作るときに使うんだ」
「お墓……僕の?」
「そうだよ。テプちゃんは10才だから長くないんだよね。前にモカを……犬を飼っていたから知ってるよ。ウサギの寿命はもっと短いんだよね?」
「ねぇ、
「平均寿命を過ぎたおじいちゃん」
僕はウサギじゃなーい!
「僕はウサギに見えるけど、妖精だから100年以上生きられるよ」
「なーんだ。心配して損した!」
勘違いとはいえ、
全く同じではないだろうけど、僕を以前飼っていた
出会った時はゲームのモンスターくらいに思われていたけど、一応生物として認識してくれたって事だよね。
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