第2話 栄養バランス最悪なカレー♪




オレ氏、リネン、シャロウは出された料理を見て生唾を飲んだ

カレーじゃないこれ...

紫色のルーにまるごと入ったタマネギとにんじん

ヤバい、と本能が訴えかけている



「料理長、これは...?」



料理長に聞くと何度も聞いた答えが帰ってきた



「毒耐性を鍛えるためにワシが作った特別なカレーじゃ」



なにが"特別なカレー"だよ!!

これはもうカレーと呼べないぞ!?

あーあ

俺の人生終わったわ



「誰が先食う?」



「シロだろ」



「いーや、シャロウだ!」



「違うね、リネンだもん」



誰が毒味をするか押し付け合いをしてから結局ジャンケンで負けた俺に決定



次回

オレ氏、死亡



スプーンで恐る恐るルーを救い口に入れる



「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」



俺がパタリと倒れるとリネンとシャロウが後退る

だがなんだろう?

たしかに不味いんだが少しレベルアップした気がする

俺はこんなとこで負けないんだ!

本編まで絶対行き残るんだ!!!



「うおぉぉぉぉぉ」



「なんか急に食い始めた」



「俺らも食ったほうがいいのかな?」



数分後、食卓には気絶して倒れている三人が見つかったという...



−−−−−



はい、気絶して復活したオレ氏です!

あの後料理長に叩き起こされて全てカレーを食わされました

もう俺この組織辞めたい...

普通さ、ゲームの大貴族かなんかに転生して悪役だけど親ガチャ成功でハッピーとかそんな感じだろ!?

俺は貧乏くじ引いて孤児だし生まれた時には犯罪者予備軍として育てられたしもう散々よ

なにが親ガチャ成功や

まだ悪役のほうが良かったで......

食事が終わったら自由タイム

だが次の暗殺に備えて部屋で必死に俺等はナイフを磨いてた



「次の依頼何ー?」



「どっかのお貴族様らしいよ?」



「ハンバーガー食いてぇ」



ナイフに毒を付与して予備のナイフを磨く



「ってかさココって『ジェノサイド』の世界でしょ?でも...なんか僕等みたいにハズレだった人は皆こうやって生活してんのかな?」



シャロウが不安げに呟いた

でもそうするしか俺達...いやモブには選択肢がない

今の目標は本編まで行く残るだからな



「そんなこと言っても他のホイホイと死んでいったヤツ等みたいになりたいか?ほらいたじゃん?ここがゲームの世界だと興奮して俺は死なないんだーとか言って殺られてたけどそんな風になりたいか???俺はそうは思わないな。だって美少女シロが毎日見れるだけで幸せだろwww」



リネンは何処までも不真面目だった

コイツに期待してはいけないようだ



「リネンがそんなふうに考えてるなら俺もうお前らの前で着替えねぇぞ?」



「「すみません。失言しました」」



「よろしい」



これが俺等の日常だった

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