第17話 Happy days(17)

たぶん



自分はすごく不器用な人間なんじゃないかと思う。



傍から見たら



仕事も難なくこなしたりしているように見えると思うけど



仕事に夢中になると周りが見えなくなってしまうのは事実だった。






彼女に何度もキスをして



ゆうべはスッポンの力を借りてしまって



ノリでシてしまったけれど



今日は本当に彼女が愛しくてたまらなくて



夢中で抱いた。





夏希はそういう自分を責めたりしない。



あまり深く考えない性格なのだろうが、いくら仕事に夢中になっても



そのことに文句を言うことは一度もなかった。




それに



甘えてた・・



「・・も・・キモチいい・・」



夏希は思わずそう言って彼に抱きついた。





ホントは



子供は二の次で



こーやって気持ちよくなりたかったのかも・・



夏希はすごくすごく幸せだった。



高宮はベッドサイドのタバコを取ろうとして、とある手帳に気づいた。



「なに、コレ・・」



それを手にすると



「あ。 その・・栗栖さんが基礎体温とかって計ってみたらってゆーから。 毎朝、決まった時間に体温を測ってそこのグラフに記入するんだって、」



夏希が言った。



「基礎体温?」



めくってみると、ほぼ空欄だった。




「なに、全然書いてないじゃん・・」



「あたし、朝いっつもギリギリだから。 忘れちゃって、」



「しょうがないなぁ・・。」



高宮はそう言いつつ、その手帳に書いてある排卵と妊娠のしくみをじっくり読んでしまった。




夏希が引いてしまうほど、彼は難しい顔をしてずうっと読んでいた。



そして、しばらくすると



「なるほど。 こういうことか・・」



その手帳を閉じた。




そして夏希にいきなり




「で。 この前の生理はいつからだったの?」



と聞いてきた。



「えっ・・」



彼からそんな質問をされるとは思っていなかったので、焦った。



「ええっと~~~~。いつだったっけ??」



夏希は慌ててカレンダーを指で追った。



「覚えてないの? 自分の体のことだろ・・」



「や、なんかけっこう毎月おんなじ日じゃないってゆーか・・」



「人によって25日型とか28日型とかあるみたいだよ。 夏希はどうなの?」



まるで先生が質問攻めにしてくるように厳しい追及が始まった。



「え? 25? 28って、なに??」



「ちゃんと読めよ! 自分で買ってきたんだから!」



「字がいっぱいで、なんか・・」



「まずは自分の周期を知ることだろ? そうしないと排卵期もわかんないし。」



いつの間にかに立場が逆転して・・



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