第16話 Happy days(16)
「子供作るとか。 そんなんじゃなくて。 おれ、ほんと忙しさにかまけて・・夏希のことほったらかしだったかなって・・」
落ち込む彼女を見ていたら
自分が悪かったんじゃないかって
すごく反省してしまった。
「・・隆ちゃん、」
夏希は胸が熱くなった。
「そんなこと。 ないよ。 ほんとあたしが一人で色々考えすぎちゃって。 バカなこと言っちゃったりするし、」
志藤さんに言われたとおり
おれは
夏希のこと全部わかってて
彼女と一緒になることを選んだ。
彼女のこういう素直なところが大好きなのに。
「・・おれ。 自分勝手だから。 つい自分ばっかりになっちゃうし、」
女の子とつきあっても長続きしなかったのは
そういう自分だったからであって。
「・・でも。 隆ちゃんがあたしと結婚したからって・・いっぱい我慢したり無理したりするようにはなってほしくないよ。」
夏希はそっと高宮から離れた。
「夏希・・」
「もー。 隆ちゃんが・・大好き。 結婚して、もうあたしたちは夫婦なのに。 でも、もっといっぱい隆ちゃんと一緒にいたいって思う。 でも、隆ちゃんは社長が倒れてからホント忙しいから。 あたしのことよりも会社のことを考えるのは当たり前だから。 あたしがバカだったから、」
彼女のこういうところが
・・かわいすぎる。
「ほんと。 別に夏希が悪いわけじゃないんだよ。 ゴメン、」
もう彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
その時。
「真面目に。 あたし・・なんか間違ってんじゃないかとか思っちゃって、」
夏希は本当に真面目に言った。
「は???」
またいきなり意外なことを言われて首を傾げる。
「だから。 『やり方』ってゆーか・・」
彼女の言葉に目がテンになっていくのがわかった。
「ほんと、これでいいのかな~~~とか。」
夏希はため息をついた。
やり方って・・
高宮はその意味を想像すれば想像するほど
おなかの底がくすぐられるように笑いがこみ上げてきた。
そして耐え切れずに
ぶっと吹き出した。
いきなり笑い出した彼に夏希は
「な、なに笑っちゃって・・」
心外な顔をした。
「や。 たぶん。 合ってると思うけど・・」
高宮は彼女の肩を両手で掴んだまま笑いが止まらなくなってしまった。
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