第10話 Happy days(10)

「おっかえりなさ~~~い!」



夏希が元気に高宮を出迎えた。



「あ??」



彼女のナリを見て思わず口が開いてしまった。



タンクトップにショートパンツ姿、そして本当に珍しく化粧までしてる。



「寒くないの? そのカッコ・・」



真冬だというのに



理解しがたい恰好であった。



「え・・さ・・寒くないですよ、」



夏希は腕をさすった。



結局『セクシー』なアイテムが見つからず、真夏の露出の多いだけの格好になってしまった。




「どっか行ったの?」



上着を脱ぎながら言った。



「え、別に・・」



「なんかメイクもしちゃってるし・・」



いつもの夏希でないことは確かだった。



「まあ、たまには・・」



まったくもって意図をくみ取ってくれない高宮に口をとがらせた。



「風呂・・はいろっかな・・」



とつぶやくように言うと



「ね! 一緒にはいろ!」



夏希は彼の腕を取って張り切って言った。




「はあ???」



驚いて彼女を見た。



「たまには~~~、ね?」



甘える夏希に



「デカい二人には狭いだろ・・」



女心が全くわかっていない高宮はむしろ迷惑そうだった。



すーっと行かれてしまって




「も~~~~、」



夏希は不満でいっぱいだった。




ところが。




なんか・・暑い。



真冬なのに・・



風呂から上がった高宮は身体の中が火照るような感覚に陥った。



冷たいミネラルウオーターを飲んで、少し仕事の続きをしようとパソコンの前に座る。



夏希はもう諦めていつものジャージに着替えて寝てしまった。





・・なんか。



仕事をしていてもなんだか落ち着かない。



意味なくそわそわしてしまう。




集中できずに仕事をやめてしまった。



寝室に入ると、すでに夏希がいつものように布団を半分掛けずに寝ていた。



まったく寝相が悪いな・・



かけてやろうとすると、パジャマがはだけておなかが見えた。



ん・・????


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