第39話
放課後は三人で帰路についた。久しぶりに小金井のいない学校で僕はどこか物足りなさを感じた。
駅で二人と別れて僕は電車にの乗り込む。車窓から見える空には鱗雲が広がる。彼方まで広がるそれは巨大な蛇の腹のように見えた。
電車を降り、自宅に着いた僕は父の許可を得てお菓子をいくつか袋に詰め、再び家を出た。
僕は小金井の住む養護施設に行くために山道を登っていった。相変わらず道は狭い。夕方ごろにはもう薄暗く不気味だった。
登っていくとし山内病院が見えてくる。その向こうに赤い屋根の養護施設がある。
僕は入り口で女性の職員に話しかけた。
小金井のお見舞いに来たことを伝えると職員は「面会はできません」の一点張りだった。
僕は仕方なく持ってきたお菓子を職員の人に渡してその場を後にした。
感染対策なのか何なのかわからなかったけど、職員に止められては仕方がなかった。
風邪なら明日には登校してくるだろうと思い、僕は帰路についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます