第389話 生きとし生ける諸々へ

「お前、無茶苦茶してるな」

 この人に言われたら終わりだな、というような台詞を俊はゴートに言われてしまった。

 しかもいきなり自宅に来て、挨拶もなしにである。

 普段から人を食ったような笑顔のゴートが、シリアスに傾倒している。

「一応最低限の義理は通してるけど、大丈夫なのか?」

「さあ?」

 とりあえず責任を取るのは自分と、あとは阿部になるのだろうか。

 地獄行きのバスに乗ってしまったのは、あちらも理解しているかもしれない。

 しかし途中で抜けるほど、阿部もつまらない人間ではない。


 それにしても呼んでもいないのに、どうしてゴートがここに来たのか。

 ラインとしては紫苑から紅旗、紅旗からゴートと思いつくが、紫苑も紅旗もこういうことを他人には言わないタイプだと思っていた。

 そもそもいったい何をしに来たのか。

「なんだか訳が分からないが、業界の強いところばかり集めてコンセプトアルバムを作るらしいが、本当に何を考えているんだ? いや、一応ちゃんと皆了解しているらしいけど、どうなってるんだ?」

 ああ、なるほど。分からないから直接来たということか。 

 それにゴートであれば、普通に住所を聞き出すぐらいは余裕だろう。

 個人情報などというものは、権力の前ではあっさり暴かれる。


 そんなゴートにしても、詳細を分かっていないのか。

 知ろうと思えば調べられるだろうが、直接本人に訊いてしまえ、というのがゴートである。

 行動力があると言うよりは、面倒くさがりであるのだ。

「まるでノイズを潰すぐらいの感じで、いったいどういうつもりなんだ?」

 根本的なところを知らないのか。

「潰れる前に、全てを作ります」

「……解散するのか?」

「いえ……」

 この業界では人気があっても、むしろ人気があるからこそ、解散するということはよくある。

 一番あるのは金銭的な問題だが、ノイズにそれがないのはゴートも知っている。

「君、死ぬの?」

 わずかにゴートの口調が変わる。

 そういえばこれが、普段のようなゴートであった。


 死ぬことを確認しに来たのか。

 それならそれはそれで、気にかけてくれていたということになるのか。

「俺は死にません」

「……すると……ルナか」

 俊は肯定も否定もしないが、月子の闘病でノイズが休止していたことは、さすがに知っている。

 そこからまたすぐに活動を休止するなら、病気の再発と考えるのが一番自然だ。

 何よりノイズは月子と俊以外なら、なんとかメンバーを入れ替えて継続できるだろう。


 ゴートも元は他のバンドをやっていた。

 それは別にメンバーが死んだわけではないが、実はここにも人間の死がバンドの解散につながっている。

 珍しくも眉根を寄せたゴートは、また冷たい声で問う。

「だから、残すのか?」

「はい」

 省略された幾つもの言葉を、この二人は共通の認識で理解する。

「……だから、残すのか……」

 深く息を吐いたゴートは、もう一つだけ質問する。

「自分の今後の業界のキャリア、全てを捨てるぐらいの覚悟はあるのか?」

「……そんなこと、全力でやり終えてから考えることです。時間がない」

 本当ならばこのゴートとのやり取りさえ、無駄であるのかもしれないのだ。


 男が死ぬ気で仕事をしようとしている。

 この業界ではあまり見ないな、とゴートは思った。

 なんだかんだ言いながら、どこか余裕があるところで、創作はなされていることが多い。

 死ぬ死ぬと言っていながら、死んだ創作家はそれほど多くない。

 もっともそんなことをしていたら死ぬだろう、と思っていたら死んだ人間はそこそこいる。


 俊のやっていることは、一応は金になる仕事だ。

 それにストーリーにもなっている。

 ならば擁護の余地はあるな、とゴートは思った。

「協力してやるよ」

 もちろん利害関係が、ちゃんと成立していることだ。

「ただ今回みたいな無茶をやったら、しばらく真っ当な……いや、どのみちしばらくは動けないか」

 俊のキャリアはここで、大きく欠落するであろう。

 そもそもノイズは月子なしでは、成立しないものである。

 いくらMOONの第二世代型が開発されていても、それでライブを行うことは出来ない。

「その暇な間に、僕の仕事を手伝ってもらおうか」

 気楽な感じに戻って、ゴートはそう言う。

 しかし声の質はどうしても、真剣みを帯びたものになってしまっていた。




 なんだかとんでもないことになってきている。

 阿部はちょっと怖くなってきたのだが、俊は全く気付いていないようだ。

 そんなことを考えるなら、その分を創作に回す。

 今までも俊はのめりこむタイプだと思っていたのだが、それでもかなりのラインを引いていたのが分かった。

 本気になってしまうと、こういうことになるのか。

(成功するために、創造性を抑えていたってこと?)

 もちろん徳島や白雪など、他のコンポーザーの影響もあるのだろうが。


 次々に出来上がってくる楽曲を見れば、俊は天才なのだな、と阿部は思う。

 もちろん本人に言っても、ただの化学反応と返すだろうが。

 あくまでも冷静に、俯瞰して楽曲を見る白雪。

 それに対して俊と徳島は、ガンガンと自分の技術と思想と芸術性をぶつけ合っていた。

 こういうことをすると尖りすぎた作品になるのだが、それで完成する前にほどよく、白雪がハリセンを頭に叩きつける。

 徳島はともかく俊は、それで割りと正気に戻るのだ。


 狂気という点において、その上限は俊も徳島も、ほぼ変わらないことが分かった。

 ただ徳島はその状態から、戻ろうというブレーキが壊れている。

(おれよりこの人の方が早く死ぬだろうな)

 今にも死にそうなペースで動いている俊が、そう思うような徳島の創作である。


 毎日やってきては、そのうち一室を占拠して泊まり込み、ゴートはこの楽曲制作とレコーディングを、それぞれ采配することになっていった。

 暴走を止める白雪の姿を見ていて、思わず笑ってしまう。

 今でこそ冷淡な感じを見せる白雪だが、ヒート時代は人食いコアラなどという意味不明の呼び名があったのだ。

 もちろんそれは、ゴートが上の世代から聞いた話である。


 あちこちに電話をしては、人を呼んでみたり仕事を依頼したりする。

 悔しくも思えないほど、ゴートの顔は広く権力は強い。

 阿部は阿部でちゃんと、ミュージシャンの管理をする。

 主に衣食住をしっかり取らせているのだ。

 俊はずっとスタジオに寝泊りして気絶しているので、その部屋を暁は子供たちと一緒に使う。

 暁が自分一人で寝る時の部屋には、千歳が泊り込んだりする。

 信吾や栄二は適当に静かなところで雑魚寝をして、臭くなる前にシャワーを浴びる。

 栄二は週に一度程度帰宅するが、信吾はもうずっと泊り込んでいる。


 日本の音楽を動かしている、とうっとりするゴートであったが、さすがにケイティがやってきた時には引いた。

「な、なぜここに」

「可愛い娘のためなら、野を越え山を越え海を越え」

 流暢に日本をを喋るケイティは、娘のジャンヌと娘同然の花音を、抱きしめてその匂いを嗅ぐ。

「音楽の匂いがする」

 そんな匂いはねえ。




 業界内のトップクラスどころか、海外からのレジェンドまでもがやってきている。

「なんかトキワ荘と大泉サロンが合体したような……」

 阿部はそんなことを言っていたが、千歳はもっと過激に表現した。

「梁山泊でしょ」

 そこまで反社会的ではないはずだが。


 俊は作曲をずっと続けて、食事の間に千歳の歌詞にチェックを入れる。

 そして休憩の間に、レコーディングを行っていく。

「MV素材、適当に手に入れたからな」

 ゴートがそんなことを言うが、俊ではなく白雪がそれをチェックしていったりした。

「ライブMVは……」

「それは後で作れるから」

 阿部の商売的な話を、一刀両断するゴートであった。


 完全にコストの概念が崩壊している空間であった。

「生ヴァイオリンがほしい。花音、これ弾いて」

 俊も遠慮がなくなってきて、その場にいる花音に頼んだりする。

「この楽器安い」

 そう言った花音は家に連絡して、ストラディバリウスを持ってきてもらったりした。

「あれ? 先生?」

「いや、娘がもうずっと帰ってこないから、さすがに心配になって」

 高価なものを持ってきているので、ついでに見に来たという感じであろうか。


 フラワーフェスタの面々は、同じように玲の家の音楽室で、ぶっ通して練習をしたりはする。

 たださすがにレコーディング設備などはないが。

 スタジオの様子を見に来て、その混沌とした様子には、さすがにたじたじとなったが。

「あ、お母さん」

「これ……いったい何をしてるの?」

「……なんだろ?」

 楽曲制作とレコーディングとMV作成を行っているのだが、ゴートがいて白雪がいるので、この場所から大きく業界を動かせる。

「カノがヴァイオリンを弾くなら、お母さんにピアノ弾いてもらった方がいいかも」

「うん? まあ一度にレコーディングした方が、上手く合うことはあるけど」

 俊としては思考力が低下している時間帯であった。

 36時間ほど眠っていいないが、その前には12時間ほど眠っていた。


 この集団の中で一番、ピアノが上手いのは花音である。

「ピアノならお母さんの方がまだ上手いでしょ?」

「私のはクラシックなタイプなんだけど」

「でもうちらのレコーディングで手伝ってくれたこともあったじゃん」

 実の娘だけに、完全におねだりに入っている。

 そう言われても俊としては、想像と合っているのかどうか、ただクラシック的に上手いのと、ポップスとでは違うと思うのだが。


「スタインウェイなのね」

 なんだかんだとやる気になったのか、ピアノの前に座る。

 その横には六億円を手にした花音が立つ。

「合わせて歌った方がいいんじゃない?」

 白雪がそう言って、別録ではなく一気に、月子のボーカルと合わせることになる。

 俊はこの展開を、休憩するような感じで見ていた。




 玲の母は、ピアニストではない。

 ピアノを教えたり、ヴァイオリンを教えたりと、色々とクラシック的なことを知ってはいる。

 もちろん玲やその姉には教えているし、姉はピアニストとして活動中だ。

 千歳の声楽の教師でもあり、確かにピアノは上手かった。

 だが千歳が聞いていたのは、本気ではない彼女のピアノ。


 楽譜を見てから、一度軽く弾いてみる。

 ポップスに合わせたような、上手く的確なピアノを弾く。

 これならいいかな、と俊は感じた。

 だが知っている人間からすると、それではまだ足りないらしい。

「エミリー、本気で弾いてもいいよ」

 ケイティがそう煽るが、ピアノの演奏とは違うのだ。


 レコーディング用の演奏となると、合わせる必要がある。

 花音は普通にヴァイオリンを手にするが、ピアノから始まるこの曲は、最初の一音から違っていた。

(なんだこれ)

 俊は知らない。今から40年も前に、欧米のジュニアコンクールのピアノコンテストを、荒らしまわっていた天才がいたことを。

 そしてその天才が、さらなる天才と対決したことにより、挫折してしまったことを。

 後に全く別の存在と出会うことで、またピアノを弾くことになった。

 

 現在ピアニストとして活躍している長女が、自分よりもずっと上手いのに、と思っている母。

 かつての事件により、集団の視線を浴びることに、トラウマを感じるようになってしまった。

 だがレコーディングなどで、危険のない場所であるのなら、こういった演奏が出来る。

 花音のヴァイオリンが追随し、そして月子の歌が始まる。

 圧倒されるような音楽の花が、そこには咲いていた。


「すごいな……」

 俊が呻く。天才二人の歌と演奏に、全く臆することがない。

「先生、こんなに上手かったんだ……」

 千歳の伴奏をする時は、本気を出していなかったということだ。


 ある意味では月子も、ここで本気を出している。

 レコーディングは通常、リズム隊から入っていって、エンジニアの手による微調整を必要とする。

 しかしそんなものを無粋に感じる、圧倒的なライブ感。

 実際のライブでは人が集められないので、こんな音を出すことは出来ない。


 ここに集まっている者は幸いである。

「ねえシュン、私が歌うバージョンとかはないの?」

「いや、ちょっとそこまで考えてなくて……」

 ケイティのおねだりにも、シュンはさすがに対応できない。

 もう充分に自分の実力以上の、作品とも芸術とも呼べるものを生み出してしまっている。


 ケイティはそこで考える。

「自分たちの作った曲でないと、演奏したくはない?」

「それは、どういう?」

「イリヤの未発表曲、合うものがあるはずだけど」

 人類の文化遺産が、ポロポロと出てくる。

 間違いなくこの家には、音楽の才能の密度が飽和していた。




 今世紀最高の音楽的天才。

 まだ半世紀以上も21世紀は残っているが、イリヤはそう呼ばれている存在だ。

 クラシックのジュニアピアノコンクールで彗星のごとく登場し、そしてジャズの大御所などの影響を受けて、ポップスの世界に入っていった。

 元はシンガーソングライターであったが、その歌手としての期間は二年ほどで、肺の感染症による声量の低下により、残された歌は少ない。

 16歳ぐらいからは完全に作曲と作詞の第一人者となり、その伝説と評価はいまだに定まっていない。

 生涯に作曲した曲の、半分以上がまだ未発表であるからだ。


 もちろんその曲の権利は、娘の花音に所属する。

 ただ完全に発表していないので、イリヤのものを花音の曲としても、誰にも分からないのである。

 正確には三人、花音の後見を託された人間が、多くの曲を知ってはいるが。

「その一人が私で、未完成の曲やアレンジが全然されていない曲は、これからもどんどんと出て行くはずだけど」

 死んでからさらに価値が上がっていくなど、まるで画家ではないか。


 曲には時代性というものがある。

 当時は流行したが、後には聴かれないというものがある。

 俊の父の曲などは、そういうものの典型であった。

 まだしもマジックアワー時代の曲の方が、今でも聴かれることが多い。

「私ならルナに合いそうな曲を、選んで持ってくることが出来るけど」

「その、権利関係はどうなって?」

「元々著作権とかでは、儲けていないんでしょ?」

 それはそうである。いや、それでも儲けてはいるのだが。


 俊の優先順位ははっきりしている。

「編曲は俺がやってもいいと?」

「ええ。いいわよね、イリヤ?」

 ケイティは花音のことを、ミドルネームで呼んでいる。

「私は構わない」

「いや、ちょっと待て」

 止めたのは意外なことに、でたらめに派手なことが好きなゴートであった。


 現在のこの梁山泊の活動は、色々と音楽業界のしきたりを無視している。

 それでもどうにか発表にまでこぎつけそうだなとゴートが見越しているのは、利害関係からちゃんと利益が出てくるからだ。

 イリヤの曲を使ってしまうと、そのバランスが崩れてしまう。

 そのあたりの権力サイドは、確かにそうだと阿部も分かっている。


 俊の無茶が通っているのは、今回は自分の利益を度外視しているからだ。

 だが他人の曲を使うというなら、話は変わってくる。

 他にこういった件で、どうにかなるかと考えられるのは、白雪である。

 しかし日本の音楽業界の範囲では、ちょっとどうにもならないのではないか。

「アメリカのレコード会社を使えば?」

「それは今回はどうにかなるかもしれないけど、関わった人間が今度嫌がらせを受ける可能性が高い」

 ケイティは軽く言うが、ゴートも白雪もそのあたり、現実感を持っている。


 俊はもう燃え尽きるような勢いで、創作に全力を注いでいる。

 だが多くのメンバーは、今後も生きていかなければいけないのだ。

「何が足りないの? 権力? コネクション? お金?」

「この場合は、権力と金かな」

 ゴートは太い人脈や金脈を持っているが、だからこそ利害関係や重要だと分かっている。 

 この場に冷静な人間がいることは、幸いであったと言える。

「権力とお金というのは、例えばどれぐらい必要なの?」 

 ケイティが尋ねても、重要なのはそれが、日本の利益になっていることだ。

 アメリカに吸われてしまうことは、日本の音楽業界関係者は許さないだろうし、ゴートとしても協力しづらい。




 ただ金と権力であるならば、ゴート以上にコネクションに心当たりがある。

「伯父さんたちに頼めば、どうにかなるんじゃない?」

 玲の言葉に、恵美理は考える。

「私には分からないけど、国会議員とか大きなスポンサーとか、そういうものでどうにかなるの?」

「ううん……そういう人にコネクションがあるなら、確かになんとかなるのかな」

「芸能界はなんだかんだ、ヤクザなところがあるからな。国家権力をそのまま使えるような人間に心当たりでも?」

「文部科学省とか法務省とかなら」

 コネクションと言うよりは、もう身内のつながりである。


 恵美理の通っていたお嬢様学校は、中高一貫の名門であり、そういったコネクションを作るためのものでもあった。

 そして実際にそこから、あちこちにつながりがある。

 誰に頼めばこういうことに、一番対応してくれるのか。

「義兄が弁護士で政治にも関わってるから、そのあたりでなんとかなるかも」

「ナオ伯父さんならなんでも出来るよね!」

「なんでもは出来ないと思うけど……」

 ただ結果的には、おおよそなんとかしてしまうのだ。


 金銭的なことを言うならば、SSホールディングスに加えて、さらに投資マネーの巨人ともつながりがある。

 そして権力に関しては、まさに音楽界のものではなく、国家権力を使えばいい。

 恵美理の無二の親友は、代議士の妻でもある。

 与党の若手議員の中心であるのだし、なんとかなるのかもしれない。


 ゴートは呆れた。

「なんだか本当になんとかなりそうだな」

 俊はどうでも良かった。

「とりあえずその線で進めようか」

 イリヤの曲がアレンジされて、月子の歌で世界に出て行く。

 だがそのアレンジの過程では、また俊と徳島がプロレスをするのだろう。


 生まれるものは世界に人々に、愛や夢や希望を与えるのかもしれない。

 だがそれを生み出す過程において、この家の中では闘争と絶望と憎悪が混沌となっている。

 美しい花が泥の中から咲くように。

 嫉妬や羨望、そして強烈な駄目出しに、これでいいんだというとんでもない熱量。

「これが絶望か……」

「浸ってないで、うちらもレコーディングするよ」

 千歳を引きずって、暁はギターを手にする。

 そして「あたしい弾かせろ」「いや、私の方が上手いから」「何を言っているんです」などという醜い争いが行われるのだ。


 しかし、争いは同レベルの中の存在でしか発生しない。

 トップレベルのミュージシャンが、やって来ては去って行く。

 そして去ったと思ったらまたやってくる。

 世界の中で今、おそらくここが一番、熱量の高い場所であろう。

 二人のコンポーザーに加えて、さらにTOKIWAなどもやってきて「面白そうだから俺にもやらせろ」という声を上げる。

 いや、あんた仕事をどんだけ抱えてるんだ、と周囲の人間やマネージャーは止めるであろうが。

 まさに70年代や80年代、あるいはそれ以前ならありえた、とんでもない混沌の坩堝。

 音楽史上の最後の奇跡が、ここで進行していたのであった。

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